ダンサーの慢性腰痛~右膝が原因~ 30代男性
前回、コンサートツアーに帯同した時の症例をお伝えしました。
今回も全国ツアーに帯同した時の症例です。
今回のクライアントはダンスミュージックのグループです。大活躍のグループで毎年、全国ツアーを30~40公演やっています。しかも大規模な演出と3~4時間の公演時間は倒れてしまうのではというほど肉体には過酷なものです。そのメンバーの一人のダンサーが長年、右側の慢性腰痛に悩まされていました。
僕はボーカルの方にツアーの仕事を依頼されていたので、基本的にツアーではボーカルの方のみをケアしていました。しかし、そのツアー中にその痛めているダンサーの方を診てほしいと依頼されたので急遽診ることになりました。
状態を聞くと
・以前から張りはあったが、ここ3~4年くらい痛みが強くなった
・本番が始まって後半になると右の腰からお尻が痛くなって思い切ったステップが出来ない。
・前屈でも痛む時がある
・公演が連日になると朝は特に身体が固まってしまっていて、満足に動けない
このような事を訴えていました。
ケアの状況はツアー中は事務所が依頼しているトレーナー会社のスタッフが付きっきりでケアをしていますし、ツアー中以外にもその方は独自で鍼やカイロ等様々な治療院に赴き身体を常日頃からケアをしていました。
ですので、日々の過酷なハードワークだから仕方ないという思いも彼にはありました。
しかし、当方が彼の身体をよくよく診てみるとまだ改善する余地はありました。そして実際に治療を3回ほど行いました。それ以降
・腰の痛みがなくなった
・公演が終盤になっても体のキレが衰えることなくステップも全力で切れるようになった
・同じ公演内容で、同じように全力でパフォーマンスをしているのに以前ほど疲れない。
このように改善したようです。
その後もツアー中はケアをすることで、再発することなくツアーを終えました。
この方の腰痛は右の膝が大きな原因でした。右膝を形成する大腿二頭筋健と大腿筋膜張筋健の隙間に硬い棒のようなコリがあります。それが右の腰を痛める原因でした。実際にそこを施術すると腰まで響いていました。
また以前ほど疲れなくなったというのは膝から腰までがストレスなく動けるようになったので無駄な力が入らずに踊れるようになったためです。
ここで大事なことは筋肉の隙間を診ていくという事です。痛みやコリ、張りは筋肉自身ではなく、筋肉の隙間に存在している事が多いのです。特に症状が強い人や長い期間患っている方は。しかも筋肉の隙間に痛みやコリがある場合、可動域が改善した程度では取れない事が多々あります。
この方は今まで肉体のオーバーワークにより腰の痛みは仕方ないと諦めていたようですが、筋肉の隙間まで調べると改善する余地があります。このような方は世の中にたくさんいます。
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