食中毒後に起こったギックリ腰 ~原因を混同しないで整理整頓する~
状態把握と施術方針
症状
5日前に牡蠣にあたった。翌日嘔吐や下痢を繰り返した。同時に腰から背中までの痛みが発症した。その日で嘔吐や下痢は緩和して背中の痛みも緩和したが、それ以来腰がギックリ腰の一歩手前の様な状態になった。場所は腸骨稜(L4、5)の上の辺り全般。
前かがみや動き出しの時に痛みが起こる。5日たった今も痛みが続いている。
また2~3カ月前から右の仙骨から臀部にかけて座骨神経痛の様な痛みが続いているとも訴えていた。
施術方針
1 臀部の筋肉を剥がしてその奥で起こっている仙結節靭帯や外旋六筋の癒着をアプローチ
2 半腱半膜様筋の裏側の癒着を除去する。腸脛靭帯と大腿四頭筋外側広筋との癒着を剥がす。股関節周囲の癒着を除去する
3 再度「1」を行う。
4 うつぶせの状態で手を下から入れて腹膜の硬縮や腸腰筋などの体幹の筋肉の硬縮をアプローチする。
5 L3~5高さの脊柱起立筋群の筋繊維の隙間に存在する癒着をアプローチする。
6 腰より上の背骨の動きが良くなるように調整
以上が施術内容です。
症状を引き起こす原因を混同しない
この方の施術方針を決める時に大事な事は「痛みの訴えている原因を分類分けして症状に影響を与える順位をつける」事です。
ある症状を改善させるに当たって原因を特定する事が大事です。これを間違えばどんな理論やテクニックも意味がありません。ですから最初の原因特定が一番大事です。
その際に、単純に一個だけの原因でしたら簡単ですが、複数の原因を訴えている事は多々あります。特に症状が酷かったり長い期間症状が起こっていると色々な原因を患者さんが訴えるものです。
しかし、施術者はその訴えている原因を全て丸飲みしてはいけません。そうすると原因が混乱してしまい、本当の原因が何だか見失ってしまいます。そしてここもやってあれもやってと言う風に手当たり次第施術する羽目になてしまうのです。
この方も複数の原因がありました。
A 牡蠣にあたって胃腸にダメージを受けたために腹部の硬縮が腰痛を引き起こした
B 2~3カ月前から続いている仙骨から臀部にかけての痛み
C (問診で聞き出した内容)昔から慢性的に仙骨~股関節周囲が痛む
これらの原因が今回のギックリ腰を引き起こしていました。しかし、全てが同等の原因ではありません。優先順位があります。それを的確に見分けて施術の方針を決める事が大事です。
この方の場合ですと
Aの原因は実は優先順位が下です。嘔吐や下痢などにより内臓へのダメージが腰痛を引き起こしました。しかし、嘔吐や下痢は収まって5日経っているのである程度内臓も回復しています。もちろん完全に回復しているわけではないので見逃せませんが、内臓は体の奥の方なので最初からアプローチしても効果は薄いので後回しです。
それよりも加味しなければならないのはBとCの原因です。特にBです。この2ヶ月痛みがあり、かなり体への負担が掛かっています。これが今回のギックリ腰の大元の原因です。Aはそのきっかけです。ですからBをしっかり取り除いてあげる事が一番の改善策です。そしてそこにはCが絡んできます。Bを引き起こす原因が慢性的なCの腰痛です。
ですからBをメインにして次にCをケアします。そうすると何層にもなった痛みを引き起こしている張りが無くなって、奥深くに抱え込んでいたAの原因が見えてきます。この段階でAをアプローチすれば簡単に体の深部もほぐす事が出来るのです。これを優先順位を考えずに闇雲にやってしまったら、まだ届かない原因の箇所を無理やりアプローチする事になり、改善が出来ません。
ほぐれる段階になって初めてアプローチする事が大事なのです。物事には順序があります。その順序をしっかりと見極めて順序良く施術していく事が大事なのです。
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