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骨格、関節のアライメントを調整する方へ 〜コリ物質のアプローチでの相乗効果〜 

公開日: : 最終更新日:2016/12/21 施術者向け

骨格の調整や関節のアライメントなどをアプローチして身体のバランスを重視している施術家のみなさんへ

当方は「コリ物質を除去する」という概念の施術を行っております。これは東洋医学的な身体の見方から派生し、そこに解剖学を織り込んだ施術です。

体のバランスを診る施術と全く違う方向からのアプローチなので併用すると相乗効果があります。

 

 

以下は実際に行った症例の一部です

 

全国ツアー中のダンサーの腰

あるミュージシャン達の全国ツアーに帯同していた時のこと。

そのグループに右腰が悪いダンサーがいました。普段から痛みがある状態で、ライブ中は痛み止めや、他に帯同していた鍼灸師やマッサージ師が途中でケアしてごまかしながらパフォーマンスしていました。

僕はそのグループから仕事をもらっていたのではなく、ボーカルの方から直接頂いており、そのグループ自体には先程の鍼灸師やマッサージトレーナーが帯同していたので、ボーカルの方のみ施術をしていました。そんな中、ボーカルの方からそのダンサーを診て欲しいと言われました。

そのダンサーから話を聞くと、身体のケアには十分注意していて、ツアー中でなくても日頃からカイロ、マッサージ、鍼など良いと聞いた治療家の所には積極的に行く人でした。しかし、普段からのダンスをするための激しい筋トレや、4時間近くも踊り続ける疲労でこの右腰は痛みが出ても仕方がないと思っていました。

しかし治療を行うと、右腰の痛みがほとんどなくなってきました。4時間のライブをしていても痛みが出なくて最後までダンスをおもいっきり出来るようになったのです。またそれだけじゃなくてライブ中の疲労感も減り、体力もついてきたと言っていました。

今まで痛いのが当たり前だと思っていたのに、実はその痛みは無いのが当たり前だったのです。

 

この方の治療もコリ物質のアプローチです。最大のポイントは右膝の膝窩の上、大腿筋膜張筋健と大腿二頭筋健の間のコリ物質と仙腸関節上〜腸骨稜にかけてのコリ物質でした。そのコリ物質のせいで仙腸関節と大腿部と下腿の連動性が失われてしまい、腰痛になってしまったのです。そしてその連動性がないからダンスの時、一つ一つの動きに余分な力が入り、体力の消耗が激しかったのです。コリ物質がなくなり、筋肉や関節が自然な動きができるようになると余分な力がいらないので疲労しないのです。

 

仙腸関節や膝関節の動きの改善は骨格調整などでやっていたのですが、それでは解消しませんでした。コリ物質で解消したのはある理由からです。

 

 

・サッカーでダッシュができない、ゴルフでフルスイングができない腰痛

10年間腰から右下肢が固まり、痛みが出ている方がいました。

右の上後腸骨棘〜鼠径部に痛みが出て、右下肢前部に痺れ感が出ていました。靴下を履く姿勢が痛かったり、柔らかい椅子に座っていると痛みが酷くなったり、一時ジッとしていると固まって動けない状態でした。

また趣味でサッカーをやっていてもダッシュができず、痛くて全力でできたことがなかったり接待のゴルフも5年位フルスイングできない状況でした。

 

この方は誰もが知っている有名な会社の社長さんですので、あらゆる情報網や会社がマネージメントしているスポーツ選手の紹介などで治療をしていたそうです。

その中にもAKAやカイロなども含まれていたそうです。しかしなかなか好転しませんでした。

しかし当院で治療を行った今では、靴下を履く姿勢でも痛みが出ることがなくなるなど普段の生活で痛みがなくなりました。またサッカーもダッシュができるようになったりゴルフも5年振りにフルスイングが出来るようになり、翌日も痛みが出ることがなくなりました。

多くの有名な先生の治療を受けていたので、僕の所に紹介で来たのですが疑心暗鬼な様子でした。今では色々聞いてくれるようになり、その変化が自分の中でも面白かったものです。

 

この方も同じくコリ物質のアプローチでした。

最大のポイントは仙腸関節上のコリ物質と鼠径部〜大腿四頭筋の裏側のコリ物質、そして大腿骨頭周辺のコリ物質でした。

これらによって右下肢と骨盤との連動性がなくなり、下肢を動かすことで腰痛になってしまうのでした。その連動性の改善は骨格や関節のアプローチから行っていたと思います。しかしこの方の場合もそれらの施術では連動性が改善されず、コリ物質の除去で改善したのです。

これも先程の例と同じ理由があります。

 

 

骨格調整などではない概念がコリ物質にはある

その理由は身体の見方に大きな違いがあります。コリ物質には

 

1原因には深さの差があり、強い原因ほど根強くこびりついている

2原因になるもの均一ではなく何層にも積み重なっている

 

以上の概念があります。この観点から身体を診ると、全く見えなかった原因が見えてきます。そして今まで感じ取れなかった身体の変化が感じ取れるようになります。

先程の例もこれらによって今まで受けてきた施術との効果の差になりました。

 

症状を引き起こす原因となるものは(当方ではコリ物質)根深さに差があります。そして根深いと矯正などのバランスを整えただけでは取れません。また可動域が正常だったり、動作痛がなくても原因は奥深くに存在しているのです。しかし、それらを骨格のバランスだけで見ていたのでは気づけません。実際に奥深くまで身体を感じ取る事をしないとわかりません。

症状が年月が経っているほど、症状が重症なほど、その深さは深くてこびりついていてちょっとやそっとでは取れないのです。

先ほどの症例の人達もバランスを整えただけ、筋肉を揉みほぐしただけでは原因が深くにありこびりついている状態だったので取れなかったのです。

 

また、原因となるものは一層だけで成り立っていることはあまりありません。ミルフィーユの様に何層にも積み重なっていることが多々あります。これは年月が積み重なると同時にその年代毎の原因が折り重なるのです。ですから表層の原因を取り除く毎に奥から昔の原因が現れるのです。それを見過ごすと、結局また元に戻ってしまうので改善解消しないのです。

これを可能にするには、施術中からその変化を身体から感じ取り、随時追いかけていくことが大事なのです。

例えばあるコリ物質をアプローチいていると、ひょっこりその横から新しい(古く奥に潜んでいた)コリ物質が現れるのです。そして新しく現れたコリ物質を除去するとまた他の場所から現れるのです。こうやって積み重なったミルフィーユを剥がしていくと今までには体験しないほど改善解消するのです。

しかしバランスを診る施術は深くまで触診することもないですし、施術前後のバランスを見るだけなので施術中に起こっている変化を見逃して、表面だけの改善しか出来ていないのです。それだけでも原因が取り除けるくらいミルフィーユの層が少なかったら改善解消するのですが、ミルフィーユの層が深かったらまた元に戻ってしまうのです。

この層になっているという状態は体験してみると納得します。そして今まで見抜けなかった身体の状態が診れるようになります。また患者さん自身も実感できます。突然今までにはない響きが起こるのでビックリします。

 

 

バランスを診る施術は身体への負担も少なく、表面上の原因改善にとても良い効果があると思います。しかし、コリ物質の除去はバランスを見るだけでは届かなかった身体の深部まで変えることができます。この二つを組み合わせて適材適所の処置ができると相乗効果で大きな効果が出ると思います。

ぜひコリ物質を体験してみて取得してみてください

 

 

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