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肩や肩甲骨周りのコリ感や頭痛を上肢から取る

公開日: : 最終更新日:2017/05/19 施術者向け

前回の治療症例で腕の骨の連動性の悪さから、手首や肘の関節の動きが悪くなり、首や肩甲骨周辺にコリや痛みとして出てしまうと言いました。

上肢の動きは橈尺骨間の捻じれ(回内回外)によってスムーズに行われます。人間の自然の動作で屈曲、伸展、内転、外転といった一直線の動きのみの事はありません。動作はそれらが絡み合った捻じれによって起こります。物を持つ動作もパソコンを打つ姿勢も、脚を上げる動作も。

なのでうまく捻じれないとどこかの筋肉や関節の動きに負担がかかり、ひずみができてしまい痛みやコリになってしまうのです。上肢を捻じる運動でキモとなるのは橈骨と尺骨の連動性です。この二つの骨の連動性の悪さで肘関節の動きも硬くなり、肩関節→頸椎、胸椎と派生し、結果的に上肢の捻じれの悪さに関係します。そうなると首や背中に負担がかかり、コリや痛みとなるのです。

今回は実際にアプローチするポイントの説明です。

 

ポイント

・橈骨と尺骨の間の骨間膜

二つの骨を繋ぐ膜があり、それが固まっていると二つの骨が自由に動いてくれません。だからその膜をほぐすのです。そのためには前腕の伸筋郡や屈筋群の隙間からアプローチします。前腕の筋肉は大きな一つの筋肉ではなく、細い筋肉が群となって存在しているので隙間がたくさんあります。骨間膜が固まっている人はその隙間の奥にグニョっとしたグミのようなものが沢山あります。それをアプローチするのです。筋肉を揉んでしまうと炎症を起こしてしまうので気をつけて下さい。

 

・上腕骨の外側上顆と内側上顆の周囲、腕撓関節と肘頭の周囲

肘関節を成している骨の周囲にもグニャッとした塊があります。それを骨から剥がすようにして除去します。またこの骨の所には前腕の筋肉の健が付いているのですが、その健の周囲にもグニャッとした塊がこびりついているのでそれを剥がすようにします。決して健を揉んではいけません。炎症を起こしてしまいますので。

腕撓関節は溝のような隙間になっています。その隙間にもグミのような触感の塊がありますのでその隙間に侵入させるように指をアプローチします。

 

・腕撓骨筋の裏側

親指側の前腕と上腕を肘を超えて存在している筋肉です。この筋肉の裏側にも肘の動きを固めてしまう塊があります。

腕撓骨筋を剥がすように、腕撓骨筋を縁から持ち上げるようにして裏側に指を侵入させると肘や手首まで響きが出ます。

 

 

主に上記の場所がポイントになります。

しかし、やみくもにその辺りをアプローチしても身体に負担をかけて炎症をおこすだけです。大事なことは的確に目の前の身体から感じ取ることです。これが欠けているとどんな手技、テクニックも効果は半減以下になってしまいますが、この感じ取る能力が欠けている方がほとんどです。

知識だけでは施術効果は程々でしかありません。知識を頭に置きながら受け手の身体に向き合う事を大事にして下さい。

 

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