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疲れ、ダルさ、倦怠感、冷え、不眠、胃腸の不快感 30代女性

公開日: : 健康コラム

治療院SHINの望月郁子(もちづき いくこ)です。

こんにちは。今回は私が担当した患者さんの症例をお伝えします。ダルさ、冷え、胃の不快感。女性でこれらを訴える方は本当に多くいます。そしてそれらは体質だからしょうがないと諦めていらっしゃる方がほとんどです。

しかし、中医学的な診方からの施術や食事の養生で大きく変わる人も沢山います。手技療法とは「気持ちよかった」というその場限りの癒しだけではありません。病院では診断されない「未病」を良くするところなのです。

 

 

【これまでの経過】

梅雨の時期から夏にかけての1ヶ月ほど
身体の疲れが取れずダルさがあり、やる気が出ない。
胃の調子も悪くあまり食欲もなく、食べると不快感がある。
手足は冷えて浮腫あり。

 

【診断】

問診と望診(顔や舌、身体などの部位を見ると、その時の体調がわかる中国医学の診断法です)から、消化器に問題がありました。
体温は低く35.5度ですので手足は冷え浮腫感も発生しています。

消化器は、冷えやストレスなどからも不調になりやすいですが、
特に今回は梅雨の時期に不調が発生しており、
望診からは胃腸の浮腫、水ハケの悪い状態がありました。

これは、梅雨季により身体へ湿気が不必要に取り込まれた為
水の害を受けた状態でした。
中国医学では、病気や不調の原因を身体の内側から発生したものと、外側から発生した物があると考えます。
この場合は梅雨の湿気(湿邪)が身体に侵入し、不調を起こしていると思われるました。

冬になると肌や髪が、唇が自然に乾燥するように、その反対の現象も身体に起きる考えます。胃腸や足の浮腫は湿気からの影響がありました。

また、同時期にストレスの重なるお仕事が増えたり、お子さんの体調が悪く夜は寝不足だったりしたこともあり、ストレスと体力の消耗がさらに進んだようです。ストレスや思考を酷使するお仕事での疲労が脾臓や胃腸の機能を停滞させるたのです。中医学では思考や精神の影響が直接、臓器にも影響す(表裏一体)と考えます。

 

【方針】

まずはお腹や胃の周り、そして膝から下にある余分な水を身体から追い出すように、膀胱と腎、脾などの経絡をしっかりと水を捨てる施術をします。
また、身体のエネルギー源が減ってしまい体力や回復する気力が落ちているので、それを補う施術をしてフォローします。
脾、腎、肝などの経絡ですが、痛みが出ない程度に優しく補います。
また、背中や胃腸周りには水分が長く停滞して固まりになり、
コリのような状態になったものが張り付いています。これを【痰湿】と言いますが、この痰湿は一度付くと自然な代謝ではなかなか取れなく、原因不明の痛みやコリと言った色々な不調に繋がります。
ですので、この痰湿を見つけてしっかりと取り除きます。
お食事の内容などを詳しく聞いて 水分や湿気を身体に溜めやすい食べ方の改善を促す食事指導をしました。

 

【施術内容】

特に全身の倦怠感を楽にする為に、ゆっくたりとした全身へのアプローチから初めて、身体が慣れて来たら膝から下の脾、腎、肝の経絡にエネルギーを補うアプローチで骨側まで深くしっかりした響きが出るようにします。
倦怠感のあるお客様の膝から下はほとんど響きがしっかり出ますが、このお客様も身体の表面からコリの溜まりが触れて深部までそれが張り付いた状態でした。

次に背中にある経絡の膀胱、腎へアプローチするツボなどで身体の余分な水を捨て、気の流れを良くする施術をして身体をさらにスッキリさせます。この時点で浮腫が邪魔をして、重だるかった足や腰がスッキリして来ます。

最後にお腹周りと胃腸の痰湿を取るためにしっかり深くピンポンにアプローチして、しつこい不調の原因となった物をはがし取ります。
痰湿としてのコリの溜まりがしっかり触れるほど、痛みがありますが
取れるとお客様次第もとてもスッキリするので取れた実感があったようです。同じく背中の胃の裏辺りからも痰湿を取り除き、
全体に気を巡らすマッサージをして終了しました。

 

【施術経過】

10日間隔くらいで3回ほど施術し、あとは半月に1度のペースでメンテナンスしまています。
飲食の乱れや、ストレス度合いなどて胃腸の機能が低下しやい体質の方ですので、日々の生活での養生について季節やお仕事との兼ね合いを見てアドバイスしています。

 

【施術後のケア】

お食事指導を、季節や体調の変化に合わせて3ヶ月おきに処方箋としてお出しています。
湿が溜まりづらい水ハケの良い身体作りを目指して頂きます。

 

 

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望月郁子プロフィール

上級 望診法指導士 認定

中医健康アドバイザー取得

整体師

2011年 家族や自身の体調不良を治したく自然療法の勉強を独学で始め、食養生にて自身の体調不良を克服。その後本格的に食養生だけでなく、望診、自然療法、中医学も学び始める。2017年 宮近陽一郎に師事、中医学に加え整体の世界に出会う。内側と外側から身体を改善させる独自の治療法を体系化し現在に至る

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