心を無にする
公開日:
:
最終更新日:2013/10/27
健康コラム
先日、友人から素晴らしい治療家の話を聞きました。
その方は患者さんの足首を持つだけで全身の痛みや病気を治すそうです。
その時大事なことは治療家の心は「無」にしなければならない、「ポカ~ン」とした状態にすることだそうです。
だから本人は治療をした実感がなくて治療家の醍醐味が味わえないと嘆いているそうです。(笑)
一般的に治療院では施術者が「治す」と表現します。実際に僕たちも言っています。
しかし本当のところは身体を治しているのは「患者さん自身」なのです。
施術者は自分(=患者さん)が治ろうとしている背中を押すだけなのです。自分で変わろうとしているのを手伝っているだけなのです。
逆に無理矢理、外から身体を変えようとしても変わりません。
当院でも
「相手の体から感じ取る」「相手の体の声に耳を傾ける」事を治療の根本においています。
これはどういうことかと言うと。どこが悪いのかを相手の体から感じ取る事、また治療中に身体がどんどん変化していくので、その変化を小さな所まで感じ取る事です。身体が悪い人ほど治療中、その場で深い所から新しくコリ物質が現れます。それを感じ取る事です。
これは施術者の心が中庸=何色でもない透明な状態でないと難しいです。
だからヨガの瞑想などを取り入れて、心を冷静に保つように心がけています。
でも、患者さんでとても期待されてお越しになる方などの時、「やってやる!!」という意気込み過ぎる時があります。そういう時はあまり良い結果が出ないことが多いです。逆に「何とかなるかな」という時の方が治療効果の出る事がよくあります。
これは自分の中に余分な「欲」があるからです。
人は余計な私利私欲によって良い気の流れを妨げてしまいます。
京セラ創業者の稲盛さんの著書にも
「利他の心、愛の心を持ち、努力を重ねていれば、宇宙の流れに沿って、素晴らしい人生を送ることができる。それに対して、人を恨んだり憎んだり、自分だけが得をしようといった私利私欲の心を持つと、人生はどんどん悪くなっていくのです」と書かれています。
欲というのは人間には欠かせない気持ちです。でもそれが度を超えるとマイナスに働くと、この仕事をしていてすごく感じます。
「身体を良くして患者さんにいい所をみせてやろう」という邪念が本人の体を良くする妨げになっているのです。
と言いつつも、僕は小さな人間、未熟な人間なので邪念をいつもなくす事がなかなかできません。全く恥ずかしい話です。
友人とその治療家の話をしていてもっと精進しないとと改めて強く思ったのでした。
SHINの中の「進」の話しでした。
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