筋肉の隙間を狙う方法
公開日:
:
施術者向け
身体の症状には深さのレベルがあり、それを表裏と言い表します。詳しくはこちら
「取れない肩こりには 表裏という概念」
https://shin-wellness.com/blog/column/post-60/
原因の深さが浅い(表)ほどどんな手技でも症状は改善しやすいです。しかし深く(裏)に原因が存在していると、それを的確に捉えないと症状は解消しません。深くまで原因が存在している事=症状が進行化していたり酷い方です。その場合はどんな手技でもとはいきません。
今回はその深い所にある原因を捉える方法です。
これまでもこのコラムで述べてきましたが、原因になるものは気血水の停滞が積み重なった物(コリ物質)なので筋肉ではありません。筋肉の裏側に存在しています。それが深くになるほど骨にまで到達することもあります。
これを触ろうとするなら、筋肉の上からアプローチしても物理的にも無理なのはわかると思います。だから通常のもみほぐしの様に触ってもダメです。筋肉の隙間を狙うのです。
筋肉の隙間とは
1脊柱起立筋、腓腹筋といったひとまとめにした筋肉と隣だった筋肉や骨との間
2脊柱起立筋だったら脊柱起立筋を形成する筋繊維の隙間
以上になります
1は筋肉の縁を意識する事です。筋腹ではありません。縁を意識していると筋肉と筋肉の隙間、筋肉と骨の隙間がわかります。その縁を触っていると指が自然と入っていくポイントがあります。そこは力を入れないでいるとビックリするくらい指が入っていきます。そこにコリ物質が確認できます。
2は筋肉とは細い筋繊維が束になって一つの筋肉を形成しています。ですので、その筋肉を形成している筋繊維と筋繊維の間をアプローチするのです。静かに筋腹を触っていると筋腹自体にボコボコとした隆起が確認できます。その隆起をより丹念に触っていると、すっと指が入っていくポイントがあります。そこが筋繊維の隙間です。
また全ての触り方に言える事として
・隙間を探す時は押し込んではいけません
・隙間を探す時は力を入れない事です。
・アプローチする時の角度は垂直だけではなく斜めに入れることもあります。決して指圧のように垂直ではありません。
・アプローチする方法は指腹ではない事が多々あります。指尖だったり指の関節部分だったりします。
力づくで無理矢理アプローチしようとしても受け手の筋肉が拘縮してしまって隙間は見つかりません。また力でアプローチしようとすると身体が抵抗してしまい、奥まで触れません。それでは奥までアプローチできないのです。
ですので、隙間をアプローチする場合は最初は表面をなぞるように触ります。そうやってアプローチする場所を特定します。そして特定できたら、指が沈み込むように静かに自然に任せてその隙間に沈めていくことが大事です。
また物理的に隙間に侵入させるのに大きな面積では入らない所が多々あります。隙間なのでその隙間より面積が狭くないと入りません。ですので、指圧のように指腹ではその隙間に入らない所があります。ですのでコリ物質をアプローチする場合、指尖や関節部分を使うことがよくあります。
このようにもみほぐしとは全くアプローチが違うので、受けた人も何をされているのと最初は戸惑う事があります。
次回は効果のあるポイントとなる隙間の存在場所について掲載します。
【ご案内】コリ物質から身体を改善させていく技術に興味をお持ちいただけた方へ
当方の考えが詰まった小冊子と毎月技術セミナーを開催しています。ぜひ参考にしてみてください
セミナー開催日
2月26日日曜10時〜13時
3月26日日曜10時〜13時
4月23日日曜10時〜13時
関連記事
-
-
外部講師としての活動 ~多くの同業者にこの仕事の可能性を知ってもらう喜び~
手技療法の分野で施術者達へのリクルーティングや人材育成で多大な貢献をして
-
-
首肩の根深いコリは頚椎のコリが原因 ~筋肉の隙間を狙う~
「本当に技術を身に着けたい人のための少人数、徹底指導の技術スクール コリトリスクール」二期生第9回
-
-
下肢の陰経の使い方の一例 ~定期的な激しい頭痛と嘔吐 40代女性~
前回のコラムで下肢の陰経の重要性をお伝えしました。 どんな症状の人にも施術の必要な箇所です。で
-
-
力が要らない中殿筋や梨状筋などの外旋六筋へのアプローチ
大きな筋肉や脂肪が存在する肉厚な臀部。しかし深層にはとても大事な筋肉や靭帯があります。 一般
-
-
肩コリ背中のコリの解消や腕の運動パフォーマンスを上げる運動
肩こりや腕の動きは肩甲骨を意識するだけじゃダメなんです 今回は腕を動かす事について説明します
新着記事
-
-
【実演動画有】2回の治療で治癒した五十肩(肩関節周囲炎)の解説と治療法の実演
実際に来院して治癒した半年動かせなかった五十肩(肩関節周囲炎)の原因個所を解説します。そしてアプロ
-
-
マッサージでほぐれないコリの正体と新しいほぐし方の理論3つ
この記事ではマッサージの様な筋肉を揉んだり押してもほぐれないコリや痛み、または何十年と付き合ってい
-
-
【動画有】仰向けで癒着を潰せばガチガチの肩上部(肩井)の肩こりはほぐれます
鉄の様に固まった肩上部の肩こりは筋肉を揉むのではなく仰向けで筋膜や頚椎の癒着を潰せばほぐれます
-
-
【ギックリ腰治療動画】寝返りや靴を履く事が出来ない腰痛を3Dストレッチで解消
酷い腰痛やギックリ腰の原因の多くは関節の連動性の欠如です。今回はその関節の連動性を戻す治療で痛みが
-
-
【動画有】後頭下筋群をほぐすには骨と筋膜の癒着を指圧で狙え
頭の付け根のコリをほぐすにはうつ伏せよりも仰向けです。また、反対の目の方向に押す等圧の方向を決めて
PREV :
本当の技術力とは単に手技のことじゃない
NEXT :
ポイントとなる隙間の場所