コリ物質の発想による不安からの脱却
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施術者向け
コリ物質という発想に行き着くまで、僕は自分の仕事に不安の毎日でした。
今、思い返してみても、大きな転換期だったと思います。どのような不安だったかというと
・不安1 周りと大差のない自分
7〜8年前まで六本木にあるマッサージ屋さんに勤務していました。そこは完全歩合契約。固定された収入ではなく、自分が売り上げた分だけ収入になります。
そこでは周りの施術者と特に大差のない効果しか出せなかったため、飛び抜けた存在ではありませんでした。どこにでもいるような特別目立つわけでもないスタッフという存在でした。
そのため売上も並、指名率も並。収入はなんとか生活できるレベルです。またそこで働く前は整骨院の社員として働いていました。給料制でしたので固定給です。安定した収入です。とは言っても業界的に割のいい業種ではありません。大学初任給くらいの安月給です。そこでも特に目立った技術もないフツーのスタッフでした。どこにでもいるようなスタッフです。
この時代は自分が周りと大差のない存在であることに毎日不安でした。どこにでもいる施術者である事に恐れていました。売上もそこそこ、指名率もそこそこ。こんな人はどんな施術をしていようがどんな知識を持っていようが、患者さんにとっては大したことない施術者なのです。そんな自分がこの先、この仕事で生き残っていけるのだろうかと不安で仕方なかったです。また生き残っていけてたとしても、売上のないギリギリの収入で毎日泥水をすすって這いつくばって生きていくような人になるのではないかという不安と恐怖が常にありました。自分にしかない武器、他には真似できない効果や圧倒的な結果の出せる人にならないと飯も食えない、惨めな人になってしまうと。
実際に僕がいた整骨院は僕が辞めた後、潰れました。また六本木のマッサージ屋も僕が辞めた後潰れました。今は何気なく働いていて潰れるなんて思いもしていなくても、競争が激化した昨今では実際に起こるのです。そこで社員で安定した給与をもらっていたとしても店はなくなるのです。この状況を見ているので、僕の不安は切実でした。
みなさんも、今は平穏に働けていると思います。しかし、その店でボチボチの成績の人が他店に行っても同じ、もしくはそれ以上の条件で働けるでしょうか?その可能性は低いのです。引き抜きではない限り、あなたの以前の経歴は大した査定にはならないので雇用条件も大して良くないのです。実際にジョブサイトを見たら一目瞭然です。そしたら生活環境は下がる一方です。でもそれは自分のせいなのです。
・不安2 御用聞きな存在
特に目立った技術がない僕なので、患者さんやお客さんにしてみればその場だけでも適度にほぐしてくれればいい人という程度の存在価値でした。なのでそれ以上の事を僕には求められませんでした。
だから来院のスケジュールなんかも聞く耳持たなくて、自分が欲した時にしか受けに来ることはありませんでした。
そのため、当時はこの仕事に対して僕自身もやりがいや喜びを持てず淡々とこなす毎日で、面白味も将来に対する希望も全く無い状況でした。
実際に昔からお付き合いのある患者さんの例です。
普段から右側の首から肩甲骨の内側にかけて強いコリを持っていました。また昔、事故で頚椎を損傷したために頚椎の並びが悪く、疲れが溜まり過ぎたり梅雨時期や天候が悪かったりすると、首が動かせないくらい痛くなり、右腕に痺れが出る人でした。
当時僕は六本木のマッサージ屋さんにいたのですが、そこはスタッフが大勢いて指名をしない方だったので、僕も時々施術をさせてもらっていました。その方にとっては誰でもよくて、一時的な癒やし目的でした。後で聞いたのですが、過去に痛みや痺れを治そうと数限りなく色々な所に行ったけど、治らなかったので手技療法に見切りを付けていたそうです。そして痛みや痺れが出たら薬で我慢していたようです。だから僕達のことも単にほぐしてもらう存在だったようです。
そのような方だから、僕が何を言っても上の空で生返事。聞いた3秒後には僕の言ったアドバイスとか忘れている様子でした。その人を施術する時間は全く虚しいものでした。そして自分自身が情けなくなっていたものでした。
しかし僕がコリ物質をアプローチする施術を行うようになったある梅雨時期、その方が首の痛みと腕のしびれが酷くなっていました。痛み止めを飲んでも治まらないのでとにかく何でもいいからとその店に駆け込んできました。その時、僕が施術したら痛みと痺れが和らいだのです。そして何度か治療するとその症状がなくなりました。
それ以降、僕に対する態度や施術に対する価値観が変わりました。僕の言う事に耳を傾け、不定期に受けてた施術をメンテナンスとして月に1〜2回受けるようになりました。僕の言うことを信頼してくれるようになったのです。そしてその方がたくさんの方を紹介してくれるようになりました。一施術者としてやりがいのあるものになり、御用聞きではなくなったのです。
そして不安からの脱却
コリ物質の施術を実践するようになってからはそれら全ての不安は消えていきました。自分の施術の軸ができたからです。
この軸ができてからは自分の道が明確に見えてきました。そうすると倍々ゲームのように施術の効果が上がり、たくさんの患者さんを紹介してもらえるようになりました。
また他院では経験できないほどの効果を実感するので、患者さん自信も僕を信頼するようになました。すると僕以外の所は行かなくなったり、僕の治療スケジュールもすんなりと受け入れてくれたりします。そしてその身体を維持しようと自分からメンテナンスを重要視する意識になりました。患者さんの僕の施術に対する価値観が変わってきました。
おかげで治療院SHINは4年目になりますが、立ち上げ当初から広告費をかけることなく、割引やクーポンサイトなども使わずに紹介だけで予約が埋まるようになりました。集客に何も小手先のテクニックはいりません。自分の技術の軸を信じて、もっと高い結果を出せるよう精進していけば自ずと集客は叶うのです。そして御用聞きとしてではなく、僕を信頼できる人として一目置いていただけるようになりました。
しかしそんな状況になると実は新し「不安」が発生しています。毎日お見えになってくれる患者さんを前にした時、最高の結果を出さなくてはという気持ちや、どうしたらもっと良くなってもらえるかを考えるとその使命感から「不安」が発生します。しかしその不安は以前の不安とは全く違います。当時の不安は暗中模索の不安でした。羅針盤のない航海のようなものです。どうしていいのかわからなかったのです。だから全てにおいて低迷し、出口の見えない虚しいものでした。
今はもっと高いところへ行くにはどうしたらいいのかという前向きな、実りのある不安です。だからこの不安は次のステージに登るのための不安だとはっきり自覚できるのです。そしてそのステージを次々にクリアして行けていることを実感します。
今は後ろ向きな考えや、仕事に虚しさを感じることの全くない毎日です。
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