信用は相手の意を汲み取る言動で生まれる
実は先日、生まれて初めて救急車に運ばれました。
ちょっと本気で人生終了を感じた状態でした。。。でも今思えばいい経験になったのと同時に搬送者の人から僕たちの仕事にすごく大事なことを学びました 。
その日、夕方から身体が火照ってだるくなってきました。(前日から胃腸が痛くて下痢を一回してました。)段々と寒気と頭がボーッとしてきました。
そんな状況で夜、職場から帰ろうとしたら、両方のふくらはぎが痺れる感じがあったので、なにか嫌な予感がしてました。
帰って熱を計ると、38度でした。ひどくなる前に寝ようと、風呂に入って湯船に浸かっていました。すると。。。
んっ?ドンドン両手足が痺れてくるやん?
あれ?痺れどころか指が動かなくなるやん?
あれあれ?動かなくなるところか、指と腕が変な方向に固まったまんまになるやん?
あれあれあれ?腕だけじゃなくて両脚が痺れて足に力が入らんやん?
うわうわうわうわ、四肢だけじゃなくて顎から首も痺れて声が出らんやん?
おぉおぉおぉおぉおぉ、横隔膜が引きつってなんか変なヨガの熟達者みたいなお腹になっとるやん?
うっわ〜〜脳やっちゃった???俺
やっべ〜〜救急車!!!
って、足に力が入らないから、這いつくばって風呂から出る。奥さん呼ぼうにもろれつが回らない。なんかセカオザの「徳井君さぁ〜〜」みたいな声で全くお腹から出てこない。 (笑)
でも物音で異変が伝わったのか
奥さん登場
神
そして119
救急車を待ってる間も指が影絵でキツネをする時のような形で動かなくて、足もジンジンします。顎から下も痺れが取れません。横隔膜も引きつったままで呼吸もままならない 状態でした。
うわ〜〜、このまま植物人間だな。良くて手足に障害を持った仕事ができない人になるなと覚悟しました。
そしたら。。。と、奥さんに明日の予約者にキャンセルの連絡をしてもらう手順と、仕事に関係する人達に伝えてもらう手はず。
あと、植物人間になった時のあれやこれやの所謂遺言目いたことを奥さんに伝えてました。
人間っていざとなると冷静なんですね。
そうこう15分くらいしていると徐々に痺れが取れてきて手足や口が動くようになりました。
少し安堵しましたが、この全身の痺れが何なのか、またなるかもととても不安。
脳梗塞?脊損?前日に興味がてら初めて花粉症のブロック注射をやったので、そのアレルギー反応?等など色々考えました。何にしてもこんな事初めてで、再発して脳とか身体に障害が出る可能性があるなと覚悟してました。
約30分位してやっと救急車到着。そして病院で血液検査。
結果、極度の脱水症状だったようです。
正直びっくりしました。まさか脱水症状だったなんて。
多分、昼くらいから熱があったんでしょう。しかも仕事が立て込んでいたから水分補給もインターバル毎に一口くらいしか取ってませんでした。あと、寒気があったので最後の締め作業あたりでは部屋を結構温めていました。
それでも。全く水分を取らなかったわけではないですし、汗ダラダラといった状況でもなかったです。それなのに水分、電解質不足なんて思いもよりませんでした。
スポーツ現場以外でも「ご年配の方がニュースで脱水症状を起こして」というのをたまに聞きますが、実際脱水状態なんて自覚がなくてわかりづらい症状なんですね。いい勉強になりました。
そんな経験の中での教訓なのですが
救急車が来た時に搬送者が僕の様子を見るなり「あぁ〜過換気症候群、いわゆる過呼吸だね」と笑いながら言ったのです。そして搬送してる最中、僕と嫁に色々問診します。昨日から腹痛があって下痢をした。今日は胃腸の不快感と火照り、夜になって38度の発熱があった。
問診が一通り終わり、受け入れ病院が決まって受け入れ先に状態を報告するのですが、その報告が
「38歳男性。昨日より下痢、腹痛。今日になって引き続き腹痛と38度の発熱」
としか言わないのです。僕が救急車を呼ばなきゃと思った決定的な全身の拘縮の事は一切報告しなかったのです。
それを聞いて内心「はぁ?」と、不安を通り越して怒りが湧いてきました。
「俺は腹痛とかよりもあの全身の拘縮で呼んだんだ!あんな怖い思いをしたのにそれを一切報告しないなんて何かあったらどうすんだよ!!」と。
その後も救急車で運ばれてる間、シビレた違和感がまだあるんだと何度か言っても
「あんまり気にしないで。今、ネットとかで色々情報が出てるからね」の一言で終わり。
その状況で病院へ。もちろん病院側も聞いていないので、全身の拘縮の事は全く無視で手はずが進みます。腹痛や発熱はいつから?嘔吐はないか?今も下痢は続いているか?
僕の不安とはかけ離れた所で診察が進みます。そして混み合っているからと順番待ちでベットに寝たまま20分くらい待たされました。
やっと僕の順番になって他に気になることはないかと聞かれたので、そこで初めてシビレのことを話しました。先生も「あっ、そうなんだ」という表情になり、じゃあインフルエンザ検査と一緒に血液検査もしましょうとなりました。
検査の結果、脱水症状と判明してそのせいだろうと言われました。そこで初めて納得し、安心もしました。
搬送者達は今までの経験上、僕のシビレや拘縮は一過性のものだと判断したんだと思います。だからそれは重要でなくて発熱や腹痛がノロウイルスやインフルエンザではないかという事の方を重要視していたのでしょう。だから病院への報告もその拘縮の件は伝えずに発熱や腹痛だけ伝達したのでしょう。
しかし、患者さんの僕にとってはあんな全身の拘縮なんて初めてで、それが凄く不安だったのです。実際に人生を覚悟して救急車を待っていました。その心情を汲み取ってもらえず、ないがしろにされた感じがした瞬間からその搬送者の人達のことは全く信用できなくなりましたし、どうなっちゃうんだろうという不安しか頭にありませんでした。
彼らにとっては当たり前の言動だったでしょうし、何度も同じことを聞いてくる僕に面倒くさささえ感じたかもしれません。しかし、この両者の温度差から起こった信頼関係の破綻は僕達の仕事にとって見逃してはいけない事案だと思います。引いては多くのビジネスシーンでも言えると思います。
一つのことを専門にしている人は、たくさんの知識や経験があります。だから色々な解決方法を知っています。しかし、そのような解決した経験が多くなれば多くなるほど、問題を自己解決してしまいがちです。自分本位言動になりがちです。そしてクライアントの心情、状況をないがしろにしがちになってしまいます。そこに自分とクライアントの意識のズレが生じてしまうと、その人がいくら優秀でも、技術があってもクライアントと信頼関係が構築されず、離れてしまうと思います。 その判断が正しかったとしても信頼してくれません
そして、本人はその意識のズレを理解できず、クライアントのせいにしてしまうのです。
多くの先生にありがちなパターンです
解決能力はもちろん大事ですがそれと同様に、相手の心情を察してそれを踏まえてコミュニケーションを取ったり行動してあげたりできる「人間力」がクライアントから信頼されるかどうかになると思います。
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