ビジョンとしてイメージ出来ることが施術効果を高める
施術を行う時はその手技の「やり方」よりも、頭にイメージを浮かべながら行う事が大事です。
どういうことかというと、教科書の知識や習った手技を単に文字として考えるのではなく、それらの知識を頭の中にビジョンとして浮かべ、その施術によって相手の身体が変化していく様もビジョンとして浮かべるのです。
たとえ教えてもらった事と同じ事をしたとしても、施術者自身が変化していくイメージを持てていないと効果は半減します。
これは精神論、根性論ではありません。どんな事にも言えることです。
料理であれば、自分が今までたくさん舌で味わった美味しい料理の経験がイメージとしてあるので美味しい料理が出来るのです。またそのイメージをかき集めて新しいオリジナルの料理も生まれるのです。
営業であれば成功するまでの戦略がしっかりとイメージできているのでクライアントにも提案もできるし、自分も何をしなければいけないか自覚でき、成功しやすいのです。
そのビジョンを頭で描けるようになるには、やっている手順よりも「どういう事をするために行うのか、何を意図してやっているのか」を学び、意識してやる事が大事です。その際、手順は自分に合うやり方になってもいいのです。それよりもその行いの本質を知ることが大事なのです。もちろん最初は教えてもらったことを真似ることから始まりますが、真似で終わってはいけないのです。
しかし今の施術者の殆どは「やり方」という表面的なところを習得する所で終わってしまい、自分の中にその技術を落とし込まないまま終えている人が多いと感じます。だから同じようなことをしても結果が出ない事が多いのです。
これは同業者向けにセミナーをやっていてすごく感じます。ある程度現場経験があっても身体が理想的に使えていない人が多いのです。
それは指圧で言えば、「背中を真っ直ぐに押す」という基本的な技術でも大きく差が出ます。押すのではなく、相手の身体に自分の手がズブズブと入っていき、お腹の方まで手が行くように相手の身体と手が一体化するくらいのイメージを持って押すと、効果が全く違います。しっかり押されていても不快な痛みがなく、なのにとても深く優しく、心安らぐ感触になります。そして筋肉も余計なことをせずともほぐれるのです。
しかし、殆どの人は「垂直に、体重を乗せて押す」という事を言葉で聞いて知識としてだけで終わっていて、それが具現化できていないままです。僕がご指導いただいている先生も「頭でイメージをする」と常に仰っていて、改めて確信したものでした。そんな僕もまだまだ修行の身でもっと磨かなければならないのですが、僕がほんの少し受講者の身体の向きや手の置き方を手伝うだけで、その人の押し方が受け手もびっくりするくらい変わります。施術が表面的なものでしかないからです。
この仕事は知識を得た後、それを修練して初めて活きる仕事だと思います。
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