手技療法はコンサルタント業
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健康コラム
ニンゲンは誰一人として同じ身体の人はいません。筋肉の質はもちろん、中国医学的な見地では陰陽、気血、五行のバランスも一人一人違います。
また、同一人物でも日によって身体の質は変わります。以前「諦めの療法」(https://shin-wellness.com/blog/column/20/)コラムでも話しましたが、ニンゲンの気のバランスは常に増減の変動をしています。一定という事はありません。例えばボーカリストの場合、本番前とツアーのオフの時では身体が違います。
ニンゲンの身体は活きモノなので、機械や無機質な物のように扱えません。そのために当院では治療の一つのコンセプトとして「相手の身体を感じる・相手の身体に耳を傾ける治療」を掲げています。この例えとしてコンサルタント業を上げてみたいと思います。
例えば飲食店のコンサルタント。その時、コンサルタントの方は
1 ・飲食業界の実情・業界の動向・自分の集客販売テクニック など大まかな情報や、ソースを持っていると思います。ただし、それだけでは効果のあるコンサルタントができないと思います。それらの情報を踏まえたうえでその方達は
2 ・実際の現場を知る Exどういったメニューか 発注、経理などの無駄による収益改善はないか 来店の客層はどんな人達か 店員の考え、思いetc
それら現場の生々しい所までを実地調査すると思います。そしてそれらマクロからミクロまでの情報を集約して、その店舗に見合った提案を行うと思います。
これと手技療法は同じです。患者さんを生々しく知る事が本当のケアになります。
1は施術で言えば、テクニックや解剖学的知識、中国医学的知識になると思います。
そして2が「相手の身体から感じ取る、身体に耳を傾けること」になります。また身体とは関係ないことも知ることが必要です。普段の生活スタイル、性格、日々の出来事など。
施術をする際、患者さんと向かい合った時、知識は0にします。根底に隠す、知識を前面に出さないと言った方がいいかもしれません。知識やテクニックは最終目標ではなく材料、道具でしかないのです。大事なのは患者さんの身体。だから知識やテクニックに身体を当てはめるのではなく、身体に当てはめるのです。
そのためには相手の身体になりきる。自分の身体に置き換えるのです。どこが痛くて、どんな痛みか。その痛みはどこから来ているのかを自分の身体がその症状になりきって自分の身体で体現するのです。そして治っていく過程も自分の身体でイメージすると効果的な施術になります。
そこで、相手の身体になりきるための重要なファクターは
・綿密な問診→痛みや原因を自分の身体に置き換えられます。
・日本人の繊細さ、奥ゆかしさ、相手を立てる心。相手の事を考える気遣い→症状を表面上知るだけではなく、相手の精神的な面、感情的な面まで理解できるのです。
このようにニンゲンを活きモノとしてとらえていくと、西洋医学では改善、治癒できなかった症状も適応できるのです。
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