10年間左の腰からハムストリングにかけての痛みや違和感 30代男性 ~原因は筋肉の裏側から骨の周囲~
【症状】
10年前に整体で施術してもらった時に痛めて以来、前屈や腰を左後ろに反った時にピーっと左の腰からハムストリングまで痛みが走る
仕事中も時には動きによって痛みや違和感を感じる
【経過】
2週間おきに治療を行う。2度目の治療後、症状が気にならなくなった
【ポイント】
以下の場所をアプローチしたのみです。
1腰椎の4~5番の左脊柱起立筋の裏側
2左仙腸関節と殿筋の隙間
3ハムストリング外側(大腿二頭筋)と大腿筋膜張筋の隙間から股関節の中
4左腸骨稜と背部の筋肉が付着する縁
この方は10年前に施術で痛めたという事で、長年患っていました。そのため原因が筋肉ではなく筋肉の裏側や、骨の周囲にまで及んでしまっていました。
ですので上記の4か所全て、筋肉の隙間から筋肉をめくる(剥がす)ようにしてアプローチをします。すると、周囲の筋肉とは全く違う感触のモノが触れることができます。3の股関節の中というのは、臀部と大腿骨頭の隙間からアプローチすると大腿骨頭周囲に付着しています。これらが10年間痛みを起こしていた原因です。この原因に触れると、その場所以外にも刺激が行くような感覚があります。鍼の世界で言う「響き」です。この響きが継続されるようにアプローチしていると、先ほどまで感じていた筋肉とは違う感触のモノがなくなります。そうすると痛みはなくなるのです。
このような筋肉の裏側や骨の周囲に原因がある場合の方は、長年症状を患っている方です。または急激に強い原因(ストレス)を受けてしまった方です。中国医学では「原因が裏(り)に入る」と言います。
このような状態になった場合、骨格を調整したり、筋肉をもむだけでは決して取れないでしょう。実際にこの方も当院に来るまで様々な治療を経験していましたが、無くなることはなかったようです。
またトリガーポイント療法とも違います。僕も以前、トリガーポイント療法を勉強していましたのでトリガーポイントの事は承知しています。実際にアプローチする場所で近い所はいくつかありますが、当方のアプローチするものは筋肉ではありません。筋肉の隙間、骨の周囲です。トリガーポイントは筋肉へのアプローチです。そのため近い場所はあれど、効果は全く違います。
この、筋肉の隙間から筋肉の裏側や骨の周囲にアプローチする事により、多くの長年患っていたコリや痛みが解消します。
【ご案内】骨格調整やもみほぐしとは違う身体を改善させていく技術に興味をお持ちいただけた方へ
当方の考えが詰まった小冊子と毎月技術セミナーを開催しています。ぜひ参考にしてみてください
セミナー開催日
10月22日日曜10時〜13時
11月26日日曜10時〜13時
12月24日日曜10時~13時
関連記事
-
肩コリ背中のコリの解消や腕の運動パフォーマンスを上げる運動
肩こりや腕の動きは肩甲骨を意識するだけじゃダメなんです 今回は腕を動かす事について説明します
-
痛いだけの母指圧から卒業 深い圧なのに優しい母指圧が誰でも出来る方法
母指圧が誰でも気持ち良く出来る方法 母指圧は指が細い人や力押しになる人等、人によっては鋭い痛
-
【アロマオイルの効用 アレルギー抑制】 20代女性
この方、猫アレルギーらしくて猫がいる家に来院前に行って来たためアレルギーが出たようです エッセンシ
-
頭蓋骨へのアプローチの特徴 ~ポイントは硬膜と小後頭直筋や縫合と固有受容器~
今回は当方の頭蓋骨へのアプローチの特徴をお伝えします。大きく2つのポイントがあります。 &nb
-
10年来の鎮痛剤を飲んでも収まらない首の痛みと頭痛、腕のしびれ
50代 男性 症状 約10年前から普段から右側の首から肩甲骨の内側にかけてのコリ感があ
新着記事
-
【実演動画有】2回の治療で治癒した五十肩(肩関節周囲炎)の解説と治療法の実演
実際に来院して治癒した半年動かせなかった五十肩(肩関節周囲炎)の原因個所を解説します。そしてアプロ
-
マッサージでほぐれないコリの正体と新しいほぐし方の理論3つ
この記事ではマッサージの様な筋肉を揉んだり押してもほぐれないコリや痛み、または何十年と付き合ってい
-
【動画有】仰向けで癒着を潰せばガチガチの肩上部(肩井)の肩こりはほぐれます
鉄の様に固まった肩上部の肩こりは筋肉を揉むのではなく仰向けで筋膜や頚椎の癒着を潰せばほぐれます
-
【ギックリ腰治療動画】寝返りや靴を履く事が出来ない腰痛を3Dストレッチで解消
酷い腰痛やギックリ腰の原因の多くは関節の連動性の欠如です。今回はその関節の連動性を戻す治療で痛みが
-
【動画有】後頭下筋群をほぐすには骨と筋膜の癒着を指圧で狙え
頭の付け根のコリをほぐすにはうつ伏せよりも仰向けです。また、反対の目の方向に押す等圧の方向を決めて