急な頭痛と発熱、悪寒や倦怠感
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最終更新日:2020/10/04
スクール セミナー, 施術者向け, 症例・お客様の声 整体スクール 整体セミナー 頭痛 中国医学 不定愁訴
当方のスクールでは中国医学も学んでもらっています。
と言うのも、慢性的な症状、原因不明の不定愁訴には西洋医学的な見方にプラスして中国医学の見方を取り入れて処置してあげると効果がはるかに上がるからです。
なにせ西洋医学は人間が発見した科学的データに基づいた医学です。しかし、人間の体はまだまだ人類が見つけ出した知識では理解出来ない所が沢山あります。
そこには2000年前の人類が人間の、そしてこの自然界の力を感じ取って見つけ出した学問が役に立つのです。もちろん非科学的な事だけではダメだと思いますので両方を使いこなす事が大事です。
そんな中国医学を基にして行った施術の一例です。
【経過】
日頃から定期的にメンテナンスでお越しになっている患者さんですが、予約をしていない朝に急に連絡がありました。
朝から急に発熱と頭痛が出た。また悪寒がひどくて全身がだるい状態なので今から治療をしてほしい。
来院時のその他の所見
自汗(暑くもないのに汗が出る事)
大便の状態・・・普通
小便の状態・・・黄色
食欲・・・あり
舌苔(下の苔)・・・白
【見解】
風寒邪(中国医学でフウカンジャと読みます)が体内に進入しようとしているのを身体が防ごうと戦っている状態による発熱や頭痛でした。
中国医学において体の健康を保つためには気、血、水が体内をバランスよく巡っている事です。そのバランスが崩れた時に頭痛やめまいなど様々な症状が現れます。
そのバランスを崩す原因は様々ありますが大きく3つに分かれます。
外因、内因、不内外因です。
外因は暑い、寒いなどの「気候」です。内因は怒る、寂しいなどの「感情」です。不内外因とは外因内因に属さない原因です。(例えば働き過ぎとか食事の不摂生とか古傷とか)
今回の発熱や頭痛を引き起こしたのは外因の風の邪気(風邪「フウジャと読みます」)と寒い邪気(寒邪)でした。
話しを聞くと前日に箱根の温泉で療養していたのですが、温泉に入った後、湯冷めしたのか身体が底冷えする感じがあったとのことでした。
まさに寒邪が身体を襲ったのです。また自汗は風邪によって起こりますので、風邪と寒邪が一緒になって身体を襲ったのです。(風寒邪と言います。)
風寒邪が身体を襲っているので身体はそれに負けまいと応戦します。その一進一退の戦いによって身体が発熱を起こすのです。これを中国医学では「邪正闘争」と言います。
身体が元気なら邪正闘争によって風寒邪を撃退できたのですが、この患者さんは日頃から全国を飛び回って大人数の前で講演を行っております。そのため心身ともに疲弊していたために邪気に負けてしまい、体内に風寒邪が侵入してしまったのです。
そのために今度は悪寒が起こりました。寒邪が体の中にいる証拠です。
【施術方針】
1 体の中に侵入している風寒邪を追い払う
2 慢性的に疲弊している身体を元気にして邪気に打ち勝てる身体にする
【施術内容】
1は首から頭部や腹部などに侵入している風寒邪を直接取り除きます。所謂局所治療です。また、背部から首にかけてお灸もしました。お灸じゃなくても温めてあげればいいです。
寒邪ですので、やはり温めてあげる処置が有効です。
2は脚の内側を重点的にアプローチしました。
理由の詳細は以前の症例の「定期的な激しい頭痛と嘔吐 ~名前のあるツボに捉われないで目の前の患者さんから感じる事~」をご覧ください
【施術回数】
治療後、頭痛や悪寒が減少しました。
一週間後にいらした時に話を聞くと治療した日の夕方には症状は治っていたようです。この期間の一週間も東京と札幌でほぼ毎日講演があったそうですが、症状もぶり返すことなく無事に講演を行えたそうです
【施術後のケア】
全国を飛び回り、休みなど不定期な方なので疲労はどうしても溜まります。メンテナンスで極力負けない身体作りを心がけます。
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