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10年来右股関節から大腿が痛くて引きずってしまう ~原因は骨に付着する筋膜と筋肉~

公開日: : 施術者向け, 症例・お客様の声

女性 40代

 

 病院での診断

MRIでは特に異常なし

これまでの経過

20年前にスノーボードで左膝を怪我しました。その際に左膝が痛くて跳んだり走ったりができなくて膝の曲げ伸ばしも正常に出来なかったそうです。しかし、病院で検査をする事もなく、冷却や固定などの処置もする事無く過ごしていたため、10年前から右の股関節が痛くなりました。そしてその痛みが年を追うごとに痛くなり、来院時期には
・右脚を引きずって歩く
・右脚が上がらないので階段は手すりを持ってしか昇降できない。
・靴下や靴なども立って履けない
・座った姿勢から立ち上がる事がスムーズに出来なくて10秒くらいかかる。
・立っている姿勢も右に傾き、がに股気味に歩いてしまう。
この様な状態でした。

病因で股関節の検査をしてもらいましたが、異常はないと診断されました。

診断

20年前の負傷によって痛めた左膝を庇って日常生活を行っていた事によって、右股関節周囲へ過大な負担がかかってしまったために痛みや動かない状態になってしまいました。

40代くらいからの股関節の痛みは関節の変形なども考えられますが、病因の検査によって骨や関節に異常がありませんでした。
ですから日常生活の負担による股関節やその周囲の左膝を庇うために起こる骨の周りの癒着が原因と診断しました。

この様な長年に渡り起こった痛みは単に筋肉の拘縮だけではありません。筋肉や筋膜、靭帯が骨に付着する部分まで拘縮してしまっているのです。よく筋膜と言うと表層の覆っている膜の所だけフォーカスされます。しかし、根深い痛みやコリの場合は表層の幕ではなく、その筋膜が骨に付着している部分が本当の原因箇所なのです。

治療方針

アプローチする場所は股関節周囲に関連している筋肉の隙間や、筋肉の起止停止部、そして骨に付着している筋膜にアプローチをします。

治療内容

施術カ所は以下の通りです。

左膝を庇う事によって起こる負荷のかかる場所へのアプローチ
・右股関節と腸骨稜の間。ツボとしては居リョウ
・右大転子の後ろ。ツボとしては環跳
・右大転子の前。大腿筋膜張筋、腸脛靭帯と大転子の隙間。ツボとしては裏環跳
・右の仙腸関節と中殿筋の裏側
・右膝窩上の大腿二頭筋腱と腸脛靭帯の間。
・右四頭筋が付着する大腿骨部分

当初痛めた左膝自体の動きの改善を目的としたアプローチ
・左の膝窩とハムストリングの隙間から大腿骨

初診からいずれの箇所もアプローチをしていきました。

2回目の来院時で右脚だけで立てる様になりました。
3回目の来院までの期間、動きがスムーズになって階段の昇降も早く出来るようになったが、2週間くらいしたら右脚が上がりづらくなってきた
4回目の来院時、階段の昇降も手すりを使わないで出来るようになっていた。歩く姿も引きずる事無く身体の傾きも無くなっていた。
6回目の来院時には座った姿勢からも痛み無く、違和感程度で立てるようになっていた。
メンテナンス期の8回目の時に何十年ぶりに高尾山に行って山登りが出来たと笑顔いっぱいに話してくれました。

また、3回目の来院時、右内転筋付近の痛みを訴えていました。これは痛みが取れてきて膝や股関節が動けるようになってきたために、20年振りに負荷が掛かって痛みとして表れたのです。ですからこれは良い兆候です。その日に内転筋の付着する骨の部分にアプローチしてあげると痛みは引きました。

この様に、酷い症状や長患いの症状は良くなってくると、一時的に今まで感じたことのない痛みが出る事があります。これは体のバランスが変わってきている証拠ですので、良い兆候と見る事が出来ます。

施術回数・頻度・期間

治癒までの施術回数は6回
治療頻度は2~3週間に一度

施術後のケア

6回の治療で生活に支障ない状態にはなりましたが、左膝の古傷、右股関節周囲の古傷は長年のモノです。そのために定期的なケアが必要ですので、1~2カ月に一回のメンテナンスをお伝えしました。

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