【生理周期の改善と肩コリの消失】30代女性
公開日:
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最終更新日:2013/10/27
症例・お客様の声
症状、経過
今まで2ヶ月くらい生理が来ない事が多々あったが、今はほぼ規則正しく生理が来るようになった。
治療
この方は本来、身体の倦怠感とむくみ、コリ感で来院されました。その後も月に一回くらいのペースで治療を継続していった結果、いつ来るかわからなかった生理周期が改善していったそうです。
もちろんコリ感やむくみ感も仕事の疲れがよほど溜まった時ではないと出なくなっています。
また、数年前から数カ月の周期でお腹がパンパンになる事があったそうです。それも今はなくなっています。
これは生理周期の治療をしたわけではありません。身体の気血のバランスを整えたから体質が変わったのです。
原因
初診時、主症状以外の問診内容
・一日中倦怠感と首、肩、背中のコリ感
・便は出るが出づらい
・足や頭に強いむくみがある
・幼少の頃、喘息になるが中高校生の時は治まる。大学生の頃から再び喘息が時々起こる。
この方は内臓の異常はありません。しかし中国医学的にみると十分に身体が悪い状態でした
中国医学では人間の体は気・血・津液(水分)で成り立っていると考えます。これらの物質が全身に均等に巡っている時、人間は健康な状態です。
それらを巡らせる役割を担っているのが五臓六腑です。
五臓六腑とは肝・心・脾・肺・腎・胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦です。
三焦はさておき、これらは一般的な西洋医学で言われる内臓とは違います。これらは西洋医学的な働き以外も担っています。この五臓六腑が何らかの原因で不調になる時、身体にいろいろな症状がおこるのです。
それらを調整して、元通りの循環を行えるようにすると、身体の不調がなくなります。
これが中国医学の治療です。西洋医学には全くない発想なので、西洋医学では対処できない症状も治療できるのです。西洋医学的な検査数値には表れない身体の不調を治す治療法です。
ではこの方はどのような状態だったのでしょうか。
この方は生まれつき気を巡らせる力が弱かったようです。そのため全身にエネルギーが届きづらく、疲れ易い体質だったと思われます。
そして気は水分も全身に巡らせる役割があります。しかし気の巡りが悪いので水分の巡りも悪くなってしまい、水分が身体の色々な所で停滞してしまいます。だからむくみやすいのです。この不要な水分の停滞を痰湿といいます。
気や水分がお腹にも停滞するため、結果的に周期的にお腹がパンパンに張る事があるのです。また水分の停滞が喘息も引き起こしてしまいます。
このような状態になると、血も上手く生成されなかったり停滞してしまったりします。そのため月経期になっても血が足りなく排出されないので周期が長引いてしまうのです。
もちろんこのような状態では全身疲労や肩こりも頻繁に出てしまいます。
これには先ほどの五臓六腑の「脾」が大きく関わっています。脾とは食物から栄養を吸収したり、全身に栄養や水を運んだりする役割があります。そのため脾が弱ると気や血が作られなくなるので、倦怠感、便秘、むくみが起こります。
治療としてはこの「脾」の気の流れを良くするために下半身のそれに関わる治療をメインにしました。また全身で気血水の巡りが悪い所を巡らせる治療も同時に行いました。
そうすると肩コリや倦怠感が出づらく、お腹がパンパンになる事もない体質になりました。その結果、生理周期も落ち着いてきたのです。
人間の身体を良くするには全身の気血水のバランスを整える事です。
身体を本当に良くするには、筋肉や骨格だけを診ていても難しい事が多いです。ましてや「ただ凝っている所を揉む」というのでは全く無意味です。人間は活きモノです。目には見えないものも理解した上で治療しないと本当に良くなりません。本当に身体を良くしたい人は身体を統合的に診る事が出来る治療院に行ってください。
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