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鍼灸学生のみなさんへ〜コリ物質を取得する利点〜 

公開日: : 最終更新日:2016/12/21 施術者向け

今、鍼灸学校に通っている方々へ

当方は「コリ物質を除去する」という概念をベースにした道具を使わない手技を主に使い、治療を行っています。これにより、骨格調整などの身体のバランスを整える方法や筋トレなどの運動療法で改善する以上の症状改善や解消を行っています。

 

以下は実際に行った症例の一例です

 

ミュージシャンの全国ツアー帯同での事

ミュージシャンの全国ツアーに帯同してコンサート会場や宿泊先で身体のケアを行い、無事にそして高いパフォーマンスでコンサートを行えるようにするトレーナー業を行っていました。

そのある現場での事です。

その日はコンサートの初日の前日。その全国ツアーの良いスタートが切れるかと現場のみんなが緊張している時です。そんな時、主人公であるミュージシャンの方の声が出なくなっていました。二週間くらい前から気管支炎を患ってしまっていて、それが長引いていたのです。

その日の昼間にリハーサルで歌ってみたのですが、声がかすれて全く歌えていなかったようです。本人はもちろん周りも、どうなってしまうのか?コンサートはできるのか?と不安に怯えていたようです。

現場は名古屋だったので、僕はそのリハーサルが終わった頃に現場に入り、本人と顔を合わせました。もうこの世の終わりのような顔でした。もうダメだと嘆いて落ち込んでいました。

でも身体の状態を見た時にこれは行ける、大丈夫だと思いました。

実際に施術をしている最中から本人も身体中が軽くなっていくのがわかり、頭がクリアになっていくと言っていました。そして施術が終わった後、完全ではありませんでしたが声が出るようになったのです。

目の前で歌ってみても、かすれた声じゃなく響く声になっていました。本人もこれなら行けると希望が見えて来たため表情が明るくなり「これじゃあスタッフに歌えないって俺が嘘を言ってたと思われちゃう」なんて冗談も出るくらいになりました。そして無事に素晴らしいコンサート初日を終えることができました。

 

この時、歌えるように処置できたのにはコリ物質という発想が活きました。

実は処置を行った時は気管支炎の影響はほとんどなかったのです。気血の停滞が起こり、そのために喉の機能を低下させてしまっていたのです。

東洋医学では気血の停滞や逆流は胃の不調や突発性難聴などのように、各器官の機能を著しく低下させてしまうという考えがあります。

この方はグループで活動していて、今回が初のソロコンサートでした。その重圧と緊張は長年やっているとは言え、グループの時とは天と地ほどの差があります。その重圧と緊張は気血の巡りに大きな影響を与えます。その重圧のため気血が大いに停滞してしまい喉に影響を与えていたのです。指標になったのは気管支炎を患っている時も診ていたので、その時よりも喉の炎症が触ってもないことに加え、コリ物質が全身にあったことです。

 

 

・脊柱管狭窄症の方の治療

3日前から左の殿部に鍼を刺したような痛みと左脚全体がシビレてしまって動けなくなりました。

病院で診察した結果、腰椎のすべり症と狭窄症を併発しているとのこと。

処置として神経ブロック注射をしたそうですが2〜3時間くらいで症状が元に戻ったようです。また近くの鍼灸院などに行ったけど症状も変わらなかったそうです。

当院にお越しになった時も、タクシーで来て降りる時に杖をついてやっと脚が動かせる状態。また脚の感覚がなく、動くと痛みで冷や汗がにじみ出るような状態でした。

全国を講演して回っている方でして、三日後にも京都で講演の仕事があるのでなんとかしたいとのことでした。

経過

一度目の治療でシビレ感と痛みが半減して脚が動くようになる

二日後の二度目の治療でシビレ感はほとんど感じなくなって、コルセットをしていればほぼ問題なく動ける。翌日京都に講演の仕事がある。

四日後。臀部周囲の重さや固まった感じはあったが、京都に行ってる時もその後も特に症状がひどくなることがなかった。治療後、シビレ感はなくなって腰や臀部周囲の重さがある程度なので、今回の治療は終了。今後は最低月に一回は治療して、このような痛みやシビレが出ないようにする。

 

この方の治療もコリ物質という発想で処置をした結果、病院でも抑えられなかった脊柱管狭窄症とすべり症が併発した痛みがなくなりました。

詳しい処置や考え方は以前のコラムに掲載していますのでこちらをご覧下さい

https://shin-wellness.com/blog/case/post-40-3/

 

〜〜

このようにコリ物質のアプローチによる施術は単にコリやハリを取るだけではなく、多くの身体の不調を改善解消します。この手法は鍼灸師の方にはとてもオススメする方法です。その理由としては三つあります

 

1 現場では鍼灸だけではなく徒手療法も要求されるが多い

鍼灸を併設している所は当たり前ですが、鍼灸師を重宝します。しかし鍼灸に特化した院以外では鍼灸師が特別視されるわけではないので、一スタッフとして鍼灸以外の施術も要求されるのが現実です。また圧倒的に鍼灸院は少ないので、就職先で鍼灸ができないという人も卒業生には多くいます。

ですから鍼灸だけで生きていくという強い意志がある人や自分で鍼灸院をやると強く思っている人以外は手の手技も習得することを勧めます。

ちなみにコリ物質の施術は鍼灸と組み合わせてもとても効果が高いので鍼灸に加える事もオススメします。

 

 コリ物質の発想が鍼灸にも活きる。また鍼灸より効果が高い局面が多々あるので治療の幅が広がる

コリ物質をアプローチする施術で大事なことの一つに相手の身体から感じ取る事があります。これは多くの手技療法にはない考えで、他の手技との差が出る要因の一つです。多くの手技療法は理論理屈に身体を当てはめることに終始しますが、コリ物質は施術中に変化していく身体の変化を追いかけていきます。

 

この感覚は鍼の治療にとても役に立ちます。

中医学を教えていただいている先生からこのように教えて頂きました。

鍼を刺す所は筋腹ではなくて、筋肉と筋肉の間、または筋肉の繊維と繊維の隙間だと教えられました。例えば手三里は腕撓骨筋と伸筋郡の境目の隙間を見つけてその窪みを狙わなければならない。また膀胱経の二行線(肺兪のライン)は脊柱起立筋だが、脊柱起立筋に刺すと考えるのではなく、その脊柱起立筋自体の筋繊維を感じ取り、その繊維と繊維の隙間に刺すのだ。

つまり、鍼を刺す経穴の場所は単に教科書に書いてある所を狙えばいいわけではなく、そこからその隙間や窪みを身体から感じ取らねばなりません。その力を養うにはコリ物質のアプローチはうってつけなのです。

 

また経穴をアプローチするでは奥に潜む原因は処置できないです。そのため鍼灸よりもコリ物質のアプローチの方が適していることが多く、鍼灸よりも効果がある症状はたくさんあるので治療の幅が広がります。

 

 

3 東洋医学の基礎を既に学んでいる

コリ物質の発想をより治療の場面に用いるには東洋医学概念が大事です。その土台ができているので他の東洋医学に触れたことがない人より習得しやすいのです。もちろん東洋医学に触れたことがない人でも当方のスクールやセミナーなどで解りやすく実用できるレベルで教えますが、スタート地点が違うのはアドバンテージです。

 

 

このようにコリ物質のアプローチは鍼灸の人には大変受け入れやすい施術です。

僕も駆け出しの頃は筋肉を揉むマッサージや鍼灸を行っていました。しかし効果があまりないので患者さんに何度も通ってもらう申し訳無さや僕のことを信用してもらえない情けなさでいっぱいの毎日でした。しかしコリ物質をアプローチする施術を行うようになり、効果もみるみる変わってきました。今まで頭痛が酷くロキソニンを手放せなかった方がロキソニンを飲むことがなくなったり、色々施術を受けてきたがゴルフやフットサルでまともに動けなかったのに動けるようになったと体質が変わるような方達が増えてきました。また、気が向いた時に癒やし程度でしかお見えにならなかった方が、熱心に治療を受けるようになりました。それは今までにないくらい身体の状態が良くなり、それを維持したいと思うようになったからです。

ぜひ鍼灸学生の皆さんは僕が作成した小冊子を読んでみたり、セミナーやスクールに参加してこの施術を学んでみてください。

 

 

【ご案内】コリ物質から身体を改善させていく技術に興味をお持ちいただけた方へ

当方の考えが詰まった小冊子と毎月技術セミナーを開催しています。ぜひ参考にしてみてください

セミナー開催日

1月22日日曜10時〜13時

2月26日日曜10時〜13時

3月26日日曜10時〜13時

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