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二人の右前大腿部の痛み ~患者さんを理論に当てはめない~

公開日: : 施術者向け, 症例・お客様の声

二人の症例です。どちらも同じ部位に痛みと痺れを訴えていました。しかし、原因箇所は違います。

 

A氏 50代男性 右腰の痛みと右大腿部の痺れや痛み

<病歴>

2か月前に胡坐で座った状態で左に腰を捻った際に右腰を痛めて動けなくなった。病院に行くと約2週間入院となった。5日間ベット上で動けなく、その後動けるが腰に力が入らない状態が続く。退院する頃には動けるようになるが、右大腿部も痛くなる。

来院時は腰は固まっている感じの状態。右大腿部は痛みとしびれ感が強くなり、階段の上る時に力が入らないので手すりを使って上っている。

画像診断では急性腰痛症と診断

<治療>

右大腿部の局所のアプローチ(四頭筋の筋肉同士の隙間と鼠径靭帯の周囲)にて痛みやシビレ改善。階段も問題なく上れるようになる。

 

B氏 50代男性 腰全体から右大腿部にかけての痛みと動きの制限

<病歴>

3ヵ月前に寝起きに動いた瞬間に腰がズルッと滑った感じがして痛み発症。それ以来、腰が前屈出来ない、股関節を屈曲すると右大腿部が痛い。またソファやタクシーの席の様に骨盤が後傾する座り方では痛くてずっと座っていられなかったり、靴下を履く時に痛くて片足の上に足を乗せられなかったりする。

画像診断ではL45に椎間板ヘルニアと診断

<治療>

腰、大腿部の痛み共に原因は右脊柱起立筋の筋繊維の隙間や右起立筋の裏側であり、そこをアプローチする事で腰が曲げられるようになり、大腿部の痛みも動きで出なくなった。

 

A氏、B氏共に大腿部の痛みを訴えていましたが、それぞれの原因は違いました。

A氏は腰の痛みを庇うために右大腿部周辺に過剰なストレスがかかったために起こった痛みです。尚且つ初期の段階で病院で効果的な治療が行われず、入院生活を送らされたために治りが悪くなり、尚更庇うストレスがかかってしまったのです。

対してB氏はヘルニアの影響により起立筋が固まってしまったための放散痛でした。多少の神経根の影響もあったと思われますが、それ以上に起立筋の拘縮の影響です。起立筋の拘縮は臀部から下肢にかけての痛みや可動域制限、シビレの様な症状を引き起こします。実際にこの方も起立筋の筋繊維の隙間へのアプローチで大腿部の痛む箇所へ響きが起こりました。

 

以上の様に、的確に原因を把握しないと見当違いな施術になってしまい、改善が見られません。同じ部位で症状だからと、安易に全部同じ理論で決めつけてはいけないのです。

大事な事は施術者自身の思慮を捨てて、常に目の前の患者さんの状態とフラットな状態で向き合う事です。そして繊細な「触診力」や「相手の状態になりきる事」で目の前の人の原因を追究する事です。○○テクニック、△△流といった様なやり方を前面に押し出している方達は、そのやり方ありきで身体を診がちです。全ての症状をその理論に当てはめようとしがちです。そのために本当の原因を見逃したり見ても無かったことにしてしまいがちです。この仕事は施術者ありきではありません。患者さんありきです。そこをしっかりと心に留めて施術をする事です。

 

 

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