肩こりは自分自身の原因だけじゃない~僕たちは人間という複雑な「活き物」が相手~
ある症状の原因を調べる時、姿勢や仕事内容、骨格のバランス等は多くの施術者が考察しています。また、内臓の調子や生活習慣等も吟味する方も多いでしょう。
ただ、身体を悪くするのは自分自身の中だけに原因があるとは限らないのです。ですから原因追及するためには広い視野を養う必要があります。
以前、こんな例がありました。
当方には定期的にご自宅へ出張治療する案件があります。その中の一つにご夫婦二人を治療する案件があります。そのある日の事です。
いつも通りご主人を治療した後、奥様を治療していました。奥様は周りにとても気を使われる方で、物事をきちんとされる方です。その影響で気が休まらない事が多いため、酷い肩こりを患っています
その日も肩こりを訴えていたので施術をしていたのですが、いつもよりも改善の具合が悪いのです。原因箇所は変わらないのですが、変化する度合いが悪いのです。
なぜかなぁと思い巡らせていると、ふと気付きました。ご主人に要因があると思いました。
実はご主人は一か月前に不注意で腰を圧迫骨折してしまったのです。そのために今も立ち上がったり起き上がったりする時に痛みがあり動きが不自由でした。普段は元気溌剌な方なので痛みへのストレスはもちろん、不自由なく動けない事に対するストレスが溜まっている様子でした。実際に、奥様の前にご主人をケアする時、いつもは穏やかでおおらかな雰囲気で話をしてくれるのですが、その日は話す内容は優しさがあっても言葉の端々に棘を感じました。行動が自分の思うようにいかない、しかも自分自身の不注意で起こったために誰のせいにもできない、自分へのイライラを感じました。
このご主人の、自分に対するイライラの空気に奥様も巻き込まれてしまって、体に強いストレスがかかっているんだと思いました。
実際に奥様にもそれとなく聞いてみると、正にその通りだと言っていました。もちろん優しいご主人なので、奥様に八つ当たりする事はないけど二人でいると自分にイライラしていて、その雰囲気が私にも重くのしかかると。
人一倍気遣いをする方なので、そういう空気も人一倍感じ取ってしまうのです。
周りの人の発する雰囲気というのは、大なり小なり他人の身体に影響を与えます。それは良い影響もあれば悪い影響もあります。こういう事も症状が起こる原因として頭に入れておく必要があります。
人間はとても複雑な生き物です。機械の様な無機質な「物」ではありませんし、動物の様に本能のままに生きる「者」でもありません。心があり、様々な人や社会と繋がって生きている「活きモノ」です。ですから様々な観点からなぜ症状が起こっているのかを考察する力を養わなければなりません。
そのためには患者さんに施術者自身が成りきれる力が必要なのです。
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