究極の理想を追い求める過程の今

僕は常々心がけていることがあります。それは

どんな症状でも、誰が来ても一回の施術で１００％症状が解消して一生症状が再発しない施術ができるような人になる。

という事です。この意識を持って施術以外の時も日々を過ごしていますし、そういう人になろうと本気で思っています。最初からこれはしょうがないよなと思う事は自分の可能性を阻害してしまうと思っています。どんなものでもどうにかしてもっと良く出来るはずだ、完璧に解消できるはずだと思っています。そんな究極を追い求める過程で、今できる最高のパフォーマンスを日々発揮することが僕達の仕事の使命だと思います。

しかし、その時その症状により一度では治癒が無理な症状だったり、メンテナンスを怠っていれば以前ほどではなくても症状が出てしまう事が多々あるのは現実です。実際には何か特殊な能力が備わっている一部の天才以外は非現実的な目標なのかもしれません。でもそれを認めてしまっては技術の大きな向上はなく、進歩のない自分になってしまいます。そしてそれは引いては、日々症状に苦しんで誰かに救いを求めている多くの患者さんを見殺しにしてしまうのだと常々思っています。

最初から目標を低く設定してしまっていては決して高度な理想は実現しませんし、それが自分の様々な環境の結果として現れると思います。富士山の頂上を目指さなければ８合目９合目なんて行けるはずないのです。最初から６合目を目標にしていたらその目標より上に行くことはないはずです。

そういう意識を持つ中で大事なことは、日々気付きがあり、今の施術に変更、修正が発生しているという事です。そしてそれが積み重なり、半年前の自分とは施術が変化しているという事です。これは決して新しいテクニックを取り入れるという意味ではありません。今現在行っている方法、考えを日々マイナーチェンジして行くということです。その中で、今までなかった全く新しい考えを導入するということは発生するかもしれませんが。

それは毎日のマイナーチェンジなので二週間、一ヶ月くらいの間隔で来ている患者さん、お客さんでは気づかない変化だと思います。

しかし半年以上ぶりの人が施術を受けた時は、「あっ、何かはわからないけど前とはぜんぜん違う」と思われるような施術になっていないといけません。もちろん腕が上がっているという意味でですが。

僕も今でも毎日、施術や患者さんとの接し方の気付きがあり、修正点がみつかります。反省の繰り返しです。それは仕事以外の時間の時もそうです。テレビを見ている時、風呂に入っている時、通勤に自転車で駆けている時。昔は夢にもよく出ていました。その度に、起きて横に置いてあったノートに書き込んでまた寝ていました。今でもたまに寝ている時も夢に出てきます。

手技とは教わったことをそのまま同じようにやる事が大事ではありません。それは手技ではなく単なる作業です。教わったことをそのままやっていてはいけません。最初に教えを請う時は真似をすることが大事です。しかし形を覚えたら、そこからは自分の感覚や今まで培ってきた考えを基に日々試行錯誤をして自分の感覚とフィットさせていく必要があります。そうすると最初の教えと多少形や方法が変わってくるはずです。それが大事なのです。その変化が自分の身体に染み込んだとなるのです。そのためには日々の気付きからの修正、反復が大事になります。

まさに守破離の精神です。

ただ、そこで気をつけないといけないのは、自分に染み込んだオリジナルだと思ってやっている事が実は、単なる的はずれな方法になってしまっていて、効果が出ていないのに勘違いをしているということです。これは形に慣れてしまって基本を忘れてしまっている人がなっています。特に、色々なやり方を取り入れたいという手広くやるタイプの人や基礎知識や基本がまだ少ないのに現場に出てしまっている人に多いです。

今、この業界の教えている人達はそのような事を伝えている人はほとんどいないですし、それが大事だと思っていない人もいます。そして教えてもらう方も、「短時間で身につくこのテクニッを身につければ、大丈夫」と言われると、時間も苦労も少なく済むので効率的だと思うので皆さんこの潮流に乗っています。

しかし、「急がば回れ」「苦労は勝手でも」です。最後に大きな差が出るのは、いかにいつも自分を省みて相手の身体を繊細に見ているかです。

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