足裏が痛くて歩けない 足底腱膜炎60台女性 ~触診力が施術力の差~
症状
一か月前くらいに左足の裏の踵寄りの場所にコリ感を感じていた。それが徐々に強くなり、痛みに変わってきて今では歩く時に足を着くと痛くてまともに歩けない
患部を触ると腫れていて、激痛が走る。
治療
一度目の治療後、歩いても痛くなくなる。
一週間後に来院した時も歩いている時の痛みはなくなったとのこと。患部を触るとまだ炎症の痛みを感じるが、それもメンテナンスをしていれば消失していくので治療は終了。
ポイント
足の裏の踵寄りの所に炎症が起こっていましたが、実際に歩行時に痛みを助長していた原因箇所は下腿の外側にある腓骨筋群や長指伸筋群でした。それらの筋肉群の隙間から筋肉の裏側をアプローチします。そうする事で歩行時の痛みがなくなります。
このような痛みが起こるのは、まず腓骨筋群と長指伸筋群が腓骨に強く癒着する事で、足首の動きに制限がかかってしまい、歩く時に衝撃を和らげる足首のクッション機能が低下してしまったのです。そのために着地時の衝撃を和らげる役目が足底だけになってしまい、足底筋へのストレスが高まってしまったため炎症を起こし、激痛になっていたのです。
ですので、足底筋の炎症はあっても足首の動きが柔らかくなり、衝撃を足首で吸収してもらえれば痛みは軽減するのです。そして足底筋の炎症部分へのストレスが減るので足底の炎症も早く治ります。
歩行や立っている時、体重の衝撃を足底(土踏まず)がクッションの役目をして和らげているというのはよく言われます。しかし、実は足底だけではなく足首や膝、股関節でも同じように体重の衝撃を和らげるクッションの役目があるのです。だから下半身や腰の痛みの場合、腰から下半身の関節の動きがいかにスムーズに動いているかを見る必要があります。
今回の症例で大事なことは丁寧に目の前の身体をしっかり見ることの大事さです。
コリや痛みは様々な要因から起こっています。AさんとBさんでは同じ場所が凝っていたり傷んでいても原因が違うことが多々あります。それをきちんと見極めずにAさんで効果があったからといって同じようにBさんに施術をしても効果がないのです。
今回の件にしても今回は腓骨筋群周囲に原因がありました。しかし、このような痛みを引き起こすのは他にも要因があります。中足骨周囲の可能性もありますし、下腿の内側の場合もあります。それを決めるのは目の前の身体だけです。目の前の身体への細かな触診と問診で徹底的に向き合うことが大事なのです。しかし、多くの人が習ったことや今までの経験だけで決めつけて施術しています。
「あの人の所で施術を受けるととてもよく治る、ほぐれる」と言われるほとんどの差はこの触診力と問診力の差です
セミナーの詳細はこちら。
↓
セミナー開催日
5月23日水曜10時~13時
5月27日日曜10時~13時
6月24日日曜10時~13時
6月27日水曜10時~13時
7月22日日曜10時~13時
7月25日水曜10時~13時
https://www.towatech.net/seminar/search_result/show/9130
5月20日日曜10時~15時
https://www.towatech.net/seminar/search_result/show/8991
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また
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