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ポイントとなる隙間の場所

公開日: : 施術者向け

前回のコラムで隙間を狙う方法を 述べました

筋肉の隙間を狙う方法

今回はその隙間の中でも大事なポイントをお伝えします

 

ただしこれは目安です。誰に対してもそこだけで施術すれば解決するわけではありません。身体の体質や状況によって存在する場所やコリ物質の分量は変わります。いつも言いますが、それらをその人の身体から感じ取りそこからその人に沿った施術をすることが大事なのです。テクニックというものは施すことが大事ではなくて、身体を理解していることが大事なのです。

 

 

〜〜

・脊柱と脊柱起立筋の隙間

脊柱の棘突起がありますが、その際です。アプローチとしては棘突起の縁に沿って脊柱起立筋の裏側に向かって指、手根を沈めていきます

 

脊柱には「督脈」という経絡が通っています。この経絡は喉頭隆起から身体の中に入り、脳に連絡します。ですので、脳の影響を受けます。それはつまり精神的ストレスが督脈上に現れることを意味します。

ですからストレスから来る肩こり、頭痛、自立神経失調といった各症状を改善するのに大切なポイントです。それらの症状が酷い方は棘突起の位置がわからなくなるほど背中が一枚の板の様になっています。その場合はいくら背中から首にかけての筋肉を揉んだり、背骨を調整してもほとんど改善しません。隙間を狙って督脈上のコリ物質にアプローチする事です。

 

 

・胸鎖乳突筋の隙間〜頚椎の横突起

胸鎖乳突筋の前肢と後枝の隙間。または胸鎖乳突筋の後枝と僧帽筋の隙間です。

 

これも先程の督脈と同じ事ですが、胸鎖乳突筋の隙間から脊柱(頚椎)を狙う事になります。

胸鎖乳突筋の隙間から頚椎に向かってアプローチします。すると縦に一本の棒のようなコリ物質があったり、頚椎の周囲に粘っこいコリ物質や付着しています。

これも精神的ストレスから発生するコリ物質です。これにより呼吸が浅くなったり自立神経が乱れます。また腕の疲労(パソコン作業など)もここに集約されます。

アプローチすると肩甲骨周囲や腕、頭に響きます。

 

 

・首の付根の僧帽筋の隙間

首から胴体になる所(頚椎の7番〜胸椎の1番辺りにかけて)の僧帽筋の隙間から頚椎に向かってアプローチします。

 

これは「大椎」という経血を狙う事になります。大椎とは経絡の督脈上にある経血で頚椎の7と胸椎1番の棘突起の間にあります。

この大椎という経血は督脈上の頚椎というだけではなく、陽経の経絡が全て通るところです。どういう事かというと、経絡には背中の真ん中を走る督脈とお腹側の真ん中を走る任脈がまずあります。そして手や足から身体を通る経絡が合わせて12本あります。

この12本は手や足の背面から背中を通って首の後ろ側を通る陽経6本と、手や足の内側から身体の前側を通る陰経6本に別れます。その陽経の6本は全て大椎を経過して行きます。つまり背中や首の後ろといったいわゆる肩こりの場所を通る陽経の経絡全てに大椎は関わるのです。その大椎をアプローチする事で肩こりが大きくなくなります。

 

 

・鎖骨上窩

鎖骨の上にくぼみがあります。そこから僧帽筋の裏側(身体の前側)の隙間に向けたり、鎖骨の隙間に向けてアプローチします。

 

鎖骨上窩から僧帽筋の裏側に向かた隙間は、リラクゼーションサロンやもみほぐしでは必ずと言っていいほど聞くツボ「肩井」のアプローチになります。実際に肩井とは筋肉の盛り上がった所と言われていますが、実は本当に大事なのはその盛り上がった所の奥に隠れているコリ物質です。

盛り上がった所を一生懸命押しても全然コリが取れなくて結局指が痛くなるくらいまで押してその疲弊した姿をお客さんに哀れんでもらって許してもらうといった事がもみほぐしで働いている人には多数いると思います。肩井で大事なのは僧帽筋の裏側なのです。

そこをアプローチすると側頭部や目、背中などそのコリができた原因の所に響きます。そしてその後、スーッと抜けた感じが受けてから感じられるのです。

 

 

・上腕三頭筋の裏側

三頭筋の縁の隙間から上腕骨の縁を削り取るように触ります。また三頭筋肘頭付着部分の周囲

の隙間

 

これは主に腕を疲弊する人に多くあり、それらによって背中から首にかけてのコリハリが出現します。腕を疲弊するとは単に筋肉労働だけではなく、スマホやデスクワークなどの動きの少ない細かい動きを要する作業にも当てはまります。

 

 

・臀筋群と腸骨窩の隙間

中殿筋と腸骨稜の隙間や大殿筋の隙間。仙腸関節の隙間や大腿骨頭周囲の骨頭と臀筋の隙間

 

これは腰痛に強く関係します。またお尻から脚にかけての痛みやだるさといった坐骨神経痛様症状にも関係します。臀筋がコリ物質によって腸骨や仙骨にベッタリとへばりついているためで、それを隙間からアプローチしてはがすようにします。

また中殿筋と腸骨稜の隙間からアプローチするコリ物質や仙腸関節の隙間のコリ物質は内臓を犯すので、足の冷えから来る内臓不調や生理不調にも効果があります。

 

 

・半腱半膜様筋の隙間

身体の中心から半腱半膜様筋の縁を感じ取り、その縁から滑り込ませ、半腱半膜様筋の裏側をアプローチします。

 

ここは腰痛にも関係しますし、冷えや虚弱体質による各症状の解消にも関係します。

足には肝、腎、脾という陰経の経絡が通っています。これらの作用は西洋医学の肝臓、腎臓、脾臓の働きに収まりません。簡単に言うと人間が生きていくためのエネルギーを製造、貯蔵する場所です。詳しくは下記のコラムで見てみて下さい。

「下半身が肩こりの原因?」

下半身が肩コリの原因?

そのため、身体が虚弱な人や冷えを抱えやすい体質の人の肩こり腰痛、内臓不調などはここに大きな原因があります。

また足から身体へ戻るリンパ管は脚の内側しかないため、ここにコリ物質が存在し気血が停滞すると、むくみや足のだるさが強く出ます。

 

 

・大腿筋膜張筋と大腿二頭筋健の隙間

大腿二頭筋健

 

ここは下肢が原因で起こっている腰痛の方に多く見られます。膝窩から指四本上くらいまでの一帯は股関節と骨盤、膝、足首に日常生活で負担をかけている動き方の人にとってキーポイントになります。特に大腿二頭筋健と大腿筋膜張筋の隙間はそれを解消するポイントです。

ここをやることで、腰痛がある方は腰まで響いて良くなったり、膝〜股関節の動きが良くなって脚の動きが軽くなります。

 

 

・下腿の隙間

下腿の内側の脛骨の縁から下腿の筋肉との隙間を狙います。

 

ここは足の陰経の経絡が通る所です。足の陰経の経絡は下腿を通る時は9割方脛骨の縁を通っていますので、縁を意識しなければなりません。そしてその隙間から下腿の中心に届くようにアプローチします。

ここも半腱半膜様筋の隙間の時と同じく、足の陰経の経絡である肝、腎、脾の経絡が通るので冷えや虚弱体質から起こる各症状の時に重要なポイントです。また女性は元来、陰体質なので自覚症状がなくても多くの症状でポイントになります。

 

 

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