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運動は本当に健康に良いことか?

公開日: : 最終更新日:2015/04/05 健康コラム

健康ブームと言われるようになって長い月日が経ちます。今ではテレビや書籍など多くのメディアにも健康を取り上げた内容が見受けられるようになりました。そして一般の方でもある程度の知識を持っている時代になりました。

人間の「幸せ」という価値観が金銭や社会的地位といった時代から健やかに生きるという生物の根本的な追求へと変わっていくことは素晴らしいことだと思います。

 

その中でよく言われているのが「運動することが健康に良い」という事です。人の体に携わっていない一般の方でもみんなそう思っているはずです。また「肩こりの解消には筋トレ」という情報もよく見ます。これらは本当なのでしょうか?

実はすべての人にいいとは言えないのです。逆に運動をするせいで体を悪くする人はいるのです。

当院に来る患者さんにもジムで筋トレを始めたらより肩こりがひどくなったという人はたくさんいます。また何十年と運転手付きの生活が続いていた人が健康になろうとウォーキングを始めたら逆に吐き気やめまいが酷くなってしまったという方もいました。

 

このように実際には「まだ」運動をしない方がいい人もいるのです。どういうことでしょうか?と、その前に人間の体についていくつかおさらいを含めて述べておきます。

 

人間の体は骨、筋肉、内蔵、血液、水分などの目に見える物質によって成り立っています。これらが巧みに連動し合って機能を維持しています。ただ、人間の体はそれだけではありません。気や陰陽(光と影)など目に見えない物によっても支配されています。それらが常に変動して体を維持しているのです。また気血水が停滞するとそれが塊となり「コリ物質」を作ります。これは新鮮な気血水の流れを拒むようになるので蓄積されれば蓄積されるほど体は弱り、各種様々な不調が起こります。

 

以上の事を踏まえ、なぜ運動は全ての人に適さないのかと言うと、陰陽のバランスがあまりにも悪い人だったりコリ物質が昔からたくさん蓄積してしまった人達は体の生命活動のエネルギーが不足気味なのに、運動をすることでよりエネルギーを消耗してしまい、体内維持ができなくなり体を弱らせてしまうからなのです。「運動」とは聞こえがいいですが、活動としては「エネルギーの消耗活動」なのです。

 

そのような方は運動をする前にまず、治療で全身のコリ物質を取り除いて、気血の流れを良い状態にし、体力をつくてあげることです。その後に運動を徐々に行ってあげるべきなのです。

運動をして健康になるためには運動をするための準備が必要なのです。それはコリ物質を取り除いてあげ、気血水が常に良い流れにして、エネルギーを作れる状態にしてあげることです。「『まだ』運動をしない方がいい人」と書いたのはそういう意味なのです。

 

人にはそれぞれ体質、状態に見合った健康法があります。人間はみな同じではありません。環境や生まれ持った体質、歩んできた人生によって体はみんな違います。

ほんの一例ですが、エネルギーが溢れている人。これは陽体質な人です。エネルギーが溢れているので、まさに少し疲れるくらいの運動などをして、そのエネルギーを外に発散させてあげるべきなのです。そのエネルギーを適度に外に発散させてあげないとエネルギーが中でこもってしまい発火して体を不調にさせてしまいます。(内熱)

逆にエネルギーが少ない人は陰体質と言えます。この人達はエネルギーが少ない傾向なのでまさしく先ほど述べたように運動をするには注意が必要です。運動をする前にまず気血の流れを良くする体質にしてあげて、その後に運動を取り入れるべきです。

肩こり解消のためとジムで筋トレをする人もいますが、解消できるとは一概には言えません。筋肉の質が悪い人や筋肉が少ない人は筋トレをするとますます肩こりになる可能性が高いです。そういう人は筋トレよりも他の方法で解消するべきです。コリ物質の除去をしたりストレス解消に好きなことをしたりするべきです。

 

「健康になりたい」と思っていてもその方向性が間違った方向へ行くと逆効果になってしまうのです。

それらをきちんと把握して、その体に見合った健康法を選ぶべきです。

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