背中の中心が凝って気持ち悪い 40代女性 ~背骨がコル事を理解する~
【症状、これまでの経過】
この3ヵ月ほど、背中の真ん中に一日中非常に強いコリ感を感じる。どんな体勢をしても、ストレッチをしてもコリを感じてとてもストレスになる。最近ついにはそのコリ感のせいで気持ちが悪くなる。
【診断】
この方は背骨の上にコリ感を感じていました。背骨の上には筋肉はありません。だから一見その周囲の筋肉のコリ感を訴えているのかなと思いがちです。しかし、筋肉がない所も「コル」のです。実際にこの患者さんも強いコリ感を発生させる局所は棘突起の上(背骨のボコッとした所)でした。
これには二つの見方があります。
一つは筋肉や筋膜、靭帯が骨に付着している部分が癒着してしまってコリ感を発しているからです。
筋肉や筋膜、靭帯は骨に付いています。そして筋肉が収縮する事で骨が動くから、体が動くのです。では筋肉が収縮する際に筋肉のどこに一番負担が来るでしょうか?筋腹でしょうか?そうではありません。一番負荷が掛かるのは筋肉が骨に付着している所です。そこが離れたら骨が動かないので強い力が掛かっています。
次に筋膜も筋肉を覆っていますがある部分から筋肉の隙間を通って骨に付着しています。筋膜も筋肉が収縮する事によって外に引っ張られる力が発生します。その際にどこに一番負荷が掛かるでしょうか?やはり筋肉と同じく骨に付着している所です。靭帯も同じことが言えます。
全て骨に付着している所が一番固まりやすいのです。そしてその固まってしまった状態がコリや痛みを発しているのです。だからその骨に癒着している状態を改善する事が必要なのです。
下記の図は骨に付着する筋肉を赤色と青色で示しています。ご覧の様に背骨の棘突起にはとても沢山の筋肉がついていて、常に引っ張られるので棘突起が凝ってしまうのです。
もう一つは経絡は骨の際を通っているのでその経絡の通りが悪くなっているからコリ感を発しているのです。
経絡とは人間の活動するためのエネルギーである「気」や「血」を運ぶ道です。それは全身を駆け巡っています。この経絡の気血の流れが何らかの理由で滞ったり不足しがちになったりする事で体の不調が起こります。ですからこの経絡の気血の流れを整えて症状を改善するのです。
そんな経絡は「骨の際や上」、そして「筋肉の隙間」を走っているのです。筋肉の上にはありません。今の鍼灸師もその様な発想がない人ばかりです。筋肉自体に鍼を刺す人が多いですが、それでは100%の効果はありません。ただ痛いだけです。もちろん筋肉の反射作用で筋肉自体も緩みますが、経絡が原因による症状には効果がありません。
実際にこの方の訴えている場所は背骨の上です。ここには督脈という経絡が走っています。まさに経絡の不調によるコリなのです。
しかし一般的には骨がコルなどという概念がありません。だから筋肉ばかりをアプローチするのでどこの治療院でも改善しなかったのです。骨格調整は骨をアプローチするのでしょうが、酷いコリを訴えるくらいになると調整くらいでは改善しません。しっかりと骨の周りに起こっている気血の流れの不調を良くするようにアプローチしないといけないのです。
【施術方針】
方針は二つです
1 背骨のコリを直接アプローチする
2 背骨の上を走る経絡=督脈に由来する体のバランスを整える
1は患者さんが訴えている局所へのアプローチです。ただ、症状が酷くなっているので、局所から原因が広がってしまっています。ですから局所の周辺の背骨もアプローチします。
2は督脈に関連する事を考えます。
督脈という経絡は肛門付近から発生し背骨の上を頭に向かって上って行きます。そのまま頭頂部を通って顔の前に流れている経絡です。しかし途中、盆の窪から体の中に侵入し、脳にも繋がっています。
つまりどういう事かと言うと、督脈の経絡の流れは脳の影響をとても受けるという事です。ですからこの患者さんが背中の真ん中が凝った原因として脳の疲労もあるのです。
その脳の疲労=ストレスなどによる疲弊を解消してあげる事で背中のコリもより改善するのです。
【施術内容】
施術方針の1はそのまま背骨へのアプローチです。その際に大事な事は「フィット感」です。ただやみくもに骨を触ればいいわけではありません。きちんとアプローチが決まった時は相手の身体に自分の指や手根、肘がはまった「フィット感」が必ずあります。その正確なアプローチによって初めて施術効果が出ます。
これは僕のアプローチ以外の全ての施術にも言えます。もちろんカイロやオステオパシー等、指で押すという施術ではなくても行っている施術が患者さんの身体に溶け込んでいる感覚があって初めて効果のある施術なのです。今の指導者はここまで徹底して実技を教えていません。単にやり方だけを教えているので生徒は再現できないのです。
施術方針の2は気持ちがいいと思える刺激の全身マッサージと、ヘッドマッサージやリフレクソロジーを行いました。
【回数、頻度】
その場でコリ感が消失したため治癒。
もし再度症状が出るようだったら来てくださいと促す
【施術後のケア】
日頃からのストレスを発散させる事をお伝えしました。
また、一カ月に一度くらいの定期的なメンテナンスをしてあげればここまでのコリは出ないと思いますとお伝えしました。
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