飲食店の店員から学ぶ事 ~僕たちは一方的に成りがちな立場~
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施術者向け
ある飲食店でボタンの掛け違いでクレームが起こりました。これは僕たちの仕事にもとても重要な事でした。
それは昼時の事でした。昼食を食べるために飲食店に入りました。通された席は入口付近の席で、入ってくるお客さんが見える所でした。
僕が入店した後に12時を回ったので次々とお客さんが入ってきました。そして気づいたら席の案内を待つ順番待ちの行列が出来ていました。
ホールの店員さんが順番待ちのお客さんを順次案内していました。
そしてある程度席が埋まってきた所で次に待ってる人は一人でした。その後ろには二人組が待っています。
飲食店でバイトをした事がある方は解ると思いますが、この案内は
その場合、カウンター席が埋まっていてテーブル席が空いている状況ですと、後ろで待っている二人組を先にテーブル席に案内する事がよくあるのです。
この店員さんもその法則に沿って後ろの二人組を案内したのです。近くで見ていた僕はその光景を理解したのですが、一抹の不安を感じました。そしたら案の定一番前で待っていた一人客の方が怒ったのです。
「なんで後ろの人が先に案内されるの?私が先に待ってたでしょう。他の店員に確認して!」と。そのお客さんは自分よりも後ろの二人組の方が先に待っていたと店員が勘違いをしていると思ったようです。
店員はなぜ怒っているのかと、意味が分からず一瞬戸惑っている様子でした。そしてどう対処していいのか困惑してしまい、他の店員に助けを求めていました。結局他の店員がその人をテーブル席に案内する事で事態は収束しました。
そりゃこんなトラブルになるよなぁと一部始終を見ていて思いました。お客さんは順番に案内してくれるのが当たり前と思っています。なのに案内されなければ「何で?」となるのは当たり前です。店員さんの「相手の気持ちになる力」が少し足りなかったのです。
こんな風に記したら皆さんもどうやったら問題にならなかったかわかると思います。ただ一言、
「今、昼時で混み合っていてお一人様はカウンター席でお願いしているのです。しかし申し訳ありませんが、只今カウンター席が空いておらず、もう少ししたら空くと思います。ですので、後ろの二人組の方達を先にテーブル席にご案内させて頂けますでしょうか?」とお客さんに伝えれば、理解してもらえて怒る事もなかったはずです。第三者の立場になれば簡単に考え付くことです。
しかし、これが当事者になると案外出来ない事が多いのです。この店員も店の立場の考えが当たり前になっているので、まったく悪気がないのです。単に店の考えに支配されて配慮する考えが出て来なくなっているのです。
この落とし穴は僕たちの仕事にもとても関係します。特に「先生」と言われる立ち位置でこの仕事に臨んでいる人は陥りやすい落とし穴です。患者さんへの配慮が欠けて施術者の意思が伝わらなかったり、ともすると、「なんだ、この人は?」と誤解を招いてしまったりしかねないのです。
「施す」という相手に与える仕事なので、経験を重ねると言動が一方的になりがちです。特に先生と言われていると「驕り」が生まれかねないのです。そういう方を本当によく見ます。
あくまでこの仕事は人間同士の触れ合いだという事を忘れないでください。相手にも感情があり、考えがあります。全ての人が自分の考えを理解してくれているわけではありません。全ての人が自分の言動に従ってくれるわけではありません。それを汲み取って対応してあげないとせっかくの施術者の想いも無駄になってしまいます。
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